谷山鉄郎『恐るべき酸性雨:水と緑を破壊する複合汚染』(合同出版,1989)を読む。
酸性雨は、人体への影響や農作物被害、森林破壊など、人間の身体だけでなく人間の暮らしを破壊するものであるということが、大気循環の仕組みから実例や数字を交えて分かりやすく説明されている。
著者は三重大学で長らく作物学・環境科学を専門とされてきた学者であり、特に地元の四日市公害問題で大気汚染が作物に及ぼす影響について研究していた。
本書の最後で次のように述べ、公害防止の技術に期待を寄せている。
人間が作った公害です。人間の技術で完全に防止することができます。