五百沢智也『図解 新東京探訪コース』(岩波ジュニア新書 1988)をパラパラと読む。
著者は東京教育大学理学部地学科地理学専攻を卒業し、山岳・氷河地形研究者で、山岳鳥瞰図作家としても知られている。
そのため、東京の観光案内なのに東京の地形の成り立ちに関する章から始まっている。最後は竹下通りや東京ディズニーランドなどの観光案内も入ってくるのだが、江戸時代の名残を探したり、侵食地形を辿ったりと元祖ブラタモリ的内容となっている。
地質時代の、ごく新しい、ここ150万年ぐらいの間を第四紀というが、そのうち、一番新しい時代を沖積制、それ以前を洪積世と、区別して呼んでいる。洪積世は、ヨーロッパ大陸にノアの洪水が運んだと考えられていた巨大な岩塊まじりの土砂が堆積した時代という意味でつけられた呼び名である。