「トレーラーから50遺体発見

本日の東京新聞朝刊に、米南西部のテキサス州の校外で乗り捨てられたトレーラーからヒスパニック系の移民50人の遺体が見つかったとの衝撃的なニュースが報じられていた。

50人の内訳で判明している人の国籍は、メキシコが22人、グアテマラが7人、ホンジュラスが2人だという。このうちホンジュラスは人口1000万人近い国だが、資源に乏しく、コーヒーやバナナ、パーム油などの熱帯商品作物しか輸出できないため、一人当たりのGNIは2,180米ドルとなっている。近年の物価高や失業率の増加、米ドル高を考慮すると、数字から見えてくるもの以上に経済が混乱していることが想定できる。

地理の公式ということで、移民や難民は一人当たりのGNIが低い国から高い国へと移動していく。米国の1人あたりのGDPが69,221ドルであることを考えれば、コロナや物価高、独裁政権で混乱している中南米諸国から米国への流れは止めようがない。

また、授業中に何度も触れているが、中南米はブラジルや一部の国を除いてスペイン語が話されているので、国を超えた移動が楽である。但し、メキシコと米国の間の国境警備は厳しくなっており、バイデン政権になってからも排外主義の流れは変わっていない。

今後の授業の中でも、一人当たりのGNIを確認しながら、移民や難民について考察する機会を増やしていきたい。