黒川伊保子『キレる女 懲りない男:男と女の脳科学』(ちくま新書 2012)を読む。
何気に読み始めたら止まらなくなり、一気に読み終えた。著者は脳科学の研究者ではない。人口知能のエンジニアを経て、マーケティングにおける感性分析を専門とする会社を立ち上げている。公式プロフィールによると、大塚製薬の「SoyJoy」のネーミングなども手掛けている。
女性は右脳と左脳を結ぶ脳梁が太く、気持ちを言葉に託す能力に長け、ちょっとした色の違いや言葉の変化に敏感で、過去の記憶と結びつけて、経験的に大胆に行動することができる。一方男性は右脳と左脳を結ぶ脳梁が細いため、右脳と左脳のそれぞれの情報を統合する空間認知能力に優れ、自分のことよりも、遠くにあるものや動くものに関心が向きやすい。
女性が書いたものなので、男性に厳しい内容となっているが、女性の取り扱い方には大変「共感」した。女性の面倒臭さに改めて戸惑いを感じた。
以下、「女性脳トリセツ」より
- とにかく、話を聞く
→女性の話の腰を折らないことが、好感度をあげるコツ - とにかく、傍に置く
→女性脳は、大切な対象に意識を寄せて、ささやかな変化も見逃さず、意図を察して生きている - 言ってくれればやったのに、は禁句
→女性脳は「察してナンボ」なので、女性の怒りを買ってしまう - 過去の浮気は告白してはいけない
→女性脳は過去の感覚を臨場感たっぷりに想起するので、過去の話だと片付けられない - 過去を蒸し返されたら、優しくあやまる
→女性脳は過去に拘らないので、過去を蒸し返すということは現在のことを意識しているということ - 女性がキレたら、理由を追求せず、ただ真摯にあやまる
→女性の応えようのない質問に対しては、決して理詰めで答えようとしないこと - 応えようのない質問に善処する
→とにかく「悲しいね」「大変だね」と共感すること - 言葉の反復と、体験返し
→とにかく、女性の話を繰り返し、共感すること
また、女性は過去の経験の一部でも否定されると、全否定を捉えるので、「○○はダメだったけど、□□は良かった」という表現も禁句 - 結果よかったことについて、過去の失敗を指摘しない
→男性脳は「結果がよければ、途中の失敗を叱られても嬉しい」と感じるが、女性脳は「結果がよければ、プロセスで手にした経験も正しいと信じたい」と考える - 過去をねぎらう
→過去(プロセス)にこだわる女性は、過去をねぎらうことで快感度が高まる - 言葉のダイヤモンドをあげる
→女性脳は過去を反復するので、たったひと言の褒め言葉も反復して味わってくれる - 過去をねぎらう(営業編)
→過去を否定せず、「頑張ったね」と過去をねぎらう言葉をいつもかけること - そろそろ、きみの○○が食べたい、と言える男子になる
→女性脳は「少し先の楽しみ」に照らされて生きていくので、来週や来月の楽しい予定を伝えていくこと - あなたのお薦めは? に即答する
→女性は大切に思う対象に対しては、比較・検討よりも、「これしかない 一押し」を好む - 職場の涙は、見て見ないふりをする
女性脳の涙は悲しみではなく、脳をパニックから守る生理現象で、汗と一緒である