岡崎大五『笑える! 世界の七癖 エピソード集』(PHP新書 2009)を読む。
海外ツアー専門の添乗員として世界83の国々と接してきた著者が,日本とはかけ離れた世界の常識について,面白おかしく語る。
最後に著者は次のように述べる。
いまのビジット・ジャパン・キャンペーンでは,なにより日本の山と海の美しさをアピールするのが大切なのではないだろうか。
世界のどこの国の人たちも,世界有数の先進国で工業国の日本が,これほど自然に恵まれた島国だったとは想像できないでいるのだ。
また,日本を旅する多くの外国人旅行者たちが,日本の自然の美しさを賞賛している。もっと彼らの発言に耳を傾けるべきである。
ここで日本が誇る,とっておきの美景を紹介する。これは美しい癖に入れてもらいたい。それが駿河湾などの海から見える富士山である。
この広い世界のなかで,3000メートル級の雪をかぶった高い山が,海から見えるのは富士山くらいのものである。
世界的な観光地であるハワイのマウナケア山も,海から見えないことはない。しかし,白と青のコントラストやシルエットの美しさは,富士山の比ではない。
日本人は,まだまだ自分の意外な奇癖に気づいていないのである。