西村賢太『寒灯』(新潮社 2011)を読む。
第144回芥川賞受賞の『苦役列車』に続く、作者を模した主人公「西村貫太」のその後を描く私小説である。表題作のほか、『陰雲晴れぬ』『肩先に花の香りを残す人』『腐泥の果実』の3編を収める。4編とも時間軸の繋がった連続小説となっており、駄々っ子で自分の思い通りにならないと苛立ちが昂じる扱いにくい性格の貫太と、貫太とは正反対の真っ当な感覚を持った同棲相手の秋恵との諍いを中心に話が進んでいく。
今回も「慊(あきたりな)い」という形容詞が連発される。
西村賢太『寒灯』(新潮社 2011)を読む。
第144回芥川賞受賞の『苦役列車』に続く、作者を模した主人公「西村貫太」のその後を描く私小説である。表題作のほか、『陰雲晴れぬ』『肩先に花の香りを残す人』『腐泥の果実』の3編を収める。4編とも時間軸の繋がった連続小説となっており、駄々っ子で自分の思い通りにならないと苛立ちが昂じる扱いにくい性格の貫太と、貫太とは正反対の真っ当な感覚を持った同棲相手の秋恵との諍いを中心に話が進んでいく。
今回も「慊(あきたりな)い」という形容詞が連発される。