昨日の東京新聞朝刊一面に、立憲民主党の原発政策に関する骨太な方針に関する記事が掲載されていた。
通常国会前に、原発に関する党としての見解を明らかにするという姿勢は素晴らしい。
原発関連は全てダメであり、省エネと再生可能エネルギーの拡大を掛け声だけに終わらせず、法的整備のもとに政府の責任で実施すると断言している。
今年、そうした立民の考えを自分なりに咀嚼し、動いていきたい。
以下、東京新聞ホームページから転載
立憲民主党が今月下旬召集予定の通常国会で提出する方針の「原発ゼロ基本法案」の骨子が二日、判明した。「速やかに全ての商用原発を廃止する」ことを政府の基本方針とし、全原発を止め、エネルギー危機に陥った場合以外は稼働を認めない。原発に依存しない社会の実現に向けた「国の責務」を明確にする。民進党が「二〇三〇年代」などと将来の目標としていた議論と比べ、具体的な方策に基づき、すぐにでも原発ゼロを実現させることが狙いだ。 (山口哲人)
法案は「基本理念」を、高速炉の実験炉などを含めた原発を「計画的かつ効率的に全て廃止」と掲げる。電力需要減と再生可能エネルギーの割合増で原発に依存しない社会をつくる。「基本方針」では、原発の運転は石油輸入が途絶えるなど「原子力以外のエネルギー源を最大限活用しても電気の安定供給確保に支障が生じ」、事故時に有効に機能する地域防災計画が作られている場合に限定。非常時を除き稼働を事実上認めない内容だが、「廃止」との関係は分かりにくいと指摘される可能性がある。
原子炉等規制法が原則四十年とする運転期間の延長や新増設は認めない。使用済み核燃料の再処理と核燃料サイクルも中止する。原発を不要とするため、三〇年時点の電力需要を一〇年比で30%以上減らし、再生可能エネルギーによる発電割合を40%以上とする。こうした方針を確実に達成するため、基本法施行後二年以内をめどに法制上の措置を講ずるとした。政府は、廃炉で経営悪化が想定される電力会社の損失に必要な支援を行い、地域経済への悪影響が懸念される立地自治体にも国が責任をもって対応する。
立憲民主党は希望の党、民進党(衆院会派は「無所属の会」)、共産党、自由党、社民党の野党五党に法案の共同提出を呼び掛け、東京電力福島第一原発事故から七年を迎える直前の三月上旬に提出を目指す。小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(会長・吉原毅城南信用金庫顧問)も同様の法案を作成している。
◆「今すぐ実現可能」 脱原発の旗印に
<解説>
立憲民主党が提出する「原発ゼロ基本法案」は、原発ゼロ実現に向け、現実的で具体的な道筋を示そうとしていることが特徴だ。安倍政権は原発再稼働を推進しているが、野党第一党が「脱原発は今でも可能」とする法案を出せば、市民や野党の脱原発勢力が再結集する旗印になる可能性がある。旧民主党は、党内に電力労組出身議員を抱え、速やかな原発ゼロには必ずしも前向きではなかった。現在でも、民進党は「三〇年代」とし、希望の党は「三〇年までに」と主張する。一方、立憲はすぐにゼロは可能との立場を鮮明にし、民進や希望と大きく異なる。原発は「麻薬」に例えられることがある。電力会社や自治体が一度手を出すと、原発に依存した経営や財政となり、事故による不利益が甚大になる可能性が分かっても止めることが難しいからだ。
立憲民主の法案骨子は、根本的な「治療策」として、政府が経営と地域経済に「法制上、財政上その他の措置を講じる」とした。「原発国有化」という選択肢も念頭にある。電力会社や立地自治体とともに脱原発を進めることを重視する点で、これまでの脱原発議論とは「本気度」が異なると言える。法案に与党が賛同する可能性は低い。だが、野党第一党が速やかな原発ゼロを目指す姿勢を示すことで、原発の是非が再び、国会論議などで大きな争点となりそうだ。 (山口哲人)