士郎正宗原作・押井守監督『攻殻機動隊:GHOST IN THE SHELL』(講談社 1995)を読む。
1995年に公開された押井守監督の同名映画のアニメコミックである。劇場で上映に使用しているものと同じ35ミリフィルムを素材として使用し、全シーン、全カット、全セリフの収録・構成を心がけたオールカラーの漫画となっている。
「自分が疑いようもない自分である」というアイデンティティは自分ならしめてきた各人の「記憶」に根ざすものであるが、その記憶が外部に記憶され別の肉体で再活用されたり、他者により改変を加えられたりして、自分が本当に自分であるという確証が持てない近未来の恐怖を描く。
かなり複雑な世界観を持った作品であり、10数年前だったが、この次回作の映画を観たのだが訳が分からず仕舞いだったのも頷ける。