イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』(角川文庫 1971)をパラパラと読む。
随分と古い本であるが、日本人独特な宗教観や時間感覚、安全や動物、奴隷に対する特別な意識など、日本の政治や社会、文化について、史実や他国の例などを挙げながら丁寧に説明している。
最後はイスラエル建国の正当性やキリスト教の解釈によって歪められたユダヤ教の正しい教えについての項で締めくくられる。作者は日本生まれの日本育ちのユダヤ人で、日本の古典や歴史にも造詣が深く、戦前には米軍による日本の調査にも加わり、戦後何度も日本を訪れているという、ぶっ飛んだ経歴の人物である。
イザヤ・ベンダサンなる人物は一体どういう素性の持ち主なんだとWikipediaで調べたところ、どうやら本物のユダヤ人ではなく、山本七平なる保守派の日本人評論家のペンネームのようだ。