内田康夫『明日香の皇子』(講談社文庫 2003)を読む。
1984年に単行本として刊行された本の文庫化である。「自作解説」の中で著者本人が、「僕がとくに好きで、ぜひお勧めしたい内田康夫作品のトップクラス、五つの中に入る」と述べているように、力のこもった作品である。高校時代に読んだ五木寛之の『風の王国』を彷彿とさせる作品で、二上山を舞台としたところや、歴史の闇に迫っていくところなどよく似ている。しかし、『明日香〜』の方も、やや粗削りながらテンポよく話が展開していき一気に読み終えた。
いつか、明日香周辺の裏道を自転車でのんびり回ってみたいものである。
『明日香の皇子』
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