白鳥和也『スローサイクリング:自転車散歩と小さな旅のすすめ』(平凡社新書 2004)を読む。
自転車文学研究室なるものを主宰する著者が、目的地に向かって時間や距離を競うようなサイクリングではなく、国道から一本入った旧道の街並みに誘われ、廃線跡や田んぼ道に寄り道をし、そこで生活する人々の息遣いを感じながら走る「スロー」サイクリングのあり方を紹介する。さらには、真っ直ぐな自動車道や整然とした街並みといった近代主義に対置して、道なき道を走り、車も通れない細い路地を抜けていく自転車による勝手気儘な旅、引いては自分の存在そのものに見合ったスローな生き方を提唱している。
『スローサイクリング』
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