『長期固定に繰り上げ返済はトクしない!? 住宅ローンのまる秘新常識』

池上秀司『長期固定に繰り上げ返済はトクしない!? 住宅ローンのまる秘新常識』(ソフトバンククリエイティブ 2007)を読む。
ファイナンシャル・プランナーとして、年間200件ほどの個別相談に応じている著者による、住宅ローンについての基本的な考え方の指南書である。この手の 本にありがちな、様々なケースを網羅した表やグラフ中心の解説書ではない。筆者は、必要最低限の数値や表を用いて、年収500万~700万程度の30代の サラリーマンといった平均的なモデルを念頭に置いて、将来の生活や今後の充分な予想の範囲内の金利変動に沿ったローン計画を提案する。
筆者は、長期固定ローンは銀行側の囲い込みの思惑が強く働くものであり、金利の「急」上昇が考えにくい現在では、短期の変動金利を前提にすべきだと述べ る。そして、今後数年の内に政策金利が4%を越える妥当性はほとんどないため、金利の低いうちに、元金を減らす元利均等型で、期間短縮を目指すべきだと主 張する。また、短期金利が長期金利を越えるような状況になったら、同じ銀行内で組み替えをすればよい。
その他、生命保険の考え方など、今まで読んだ本の中で一番納得するところが多かった。同じ著者の最近の本も是非読んでみたい。

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