川島隆太+安達忠夫『脳と音読』(講談社現代新書 2004)を読む。
東北大学教授で脳科学者の川島氏と、漢文の素読を勧める埼玉大学教授の安達氏の往復メールという形で構成され、脳の認知科学の観点から、教育における音読の意義が述べられる。
この中で興味深かったのは、実際に漢詩を聞いたり、朗読した際の脳の前頭葉分野のMRI実験の項であった。実験の結果、漢詩の音読みだけを聞いても、日本人の脳はそれを言葉として理解できずに音楽として受け入れてしまうので、脳がリラックスしてしまい、脳の言語分野はあまり活性化されないということであ る。私たち国語科の教員は、書き下し文よりも中国読みの漢詩の方が格調が高いものだと誤解している節がある。しかし、実際は、ある人が読んだ訓読を復誦するというのが一番脳の活性化によいという実験の結果であった。
また、一斉に朗読するというのは上記の実験結果と同じく、周囲の声を「聞く」ことに脳の意識が向いてしまい、前頭分野の活性化が十二分に発揮されないということも分かった。一人で声に出して復誦するというのが良いそうだ。
なんか、文章がめちゃくちゃだ。ここ最近パソコンに向かいすぎて、読書の時間も家族との時間も削られ、何か人間性が壊れていくような感覚がつきまとう。ワークライフバランスを大切にしよう。