パンフレット研究:京都橘大学

1902年創設の京都女子手芸学校が前身であり、1967年橘女子大学として開学し、1988年京都橘女子大学に改称。2005年男女共学化に伴い現校名に改称した。

現在では日本語日本文学科、歴史学科、文化財学科を擁する文学部、児童教育学科と英語コミュニケーション学科を擁する人間発達学部、現代マネージメント学科と都市環境デザイン学科を擁する現代ビジネス学部、そして看護学部の4学部8学科16コースで構成される。

最近、少子化のため女子大を共学化し、学部学科を再構成し、新たな出発を切る大学が増えている。関東で言うと文京学院大学や武蔵野大学がそれにあたるが、 女子大の特徴であった丁寧な学生対応、幅広い選択、駅から比較的近くおしゃれな校舎が、近年の「ゆとり教育」世代に受けているのであろう。また、全学生数 が三千数百人ということで、女子大的な中規模大学のアットホームな雰囲気も好まれているようだ。
パンフレットを読む前は、京都橘大学もいわゆる「Fランク」大学かと思っていた。しかし、3分の1は推薦入試であるが、一般入試の受験倍率は4倍近くあり、全国47都道府県の全てから受験生が集まっている。

そこで、パンフレットを具に読んでみると、かなり工夫を凝らしていることがわかった。文学部日本文学科にはかなり力の入った書道コースが設置されていた り、アナウンス技術研究のゼミが置かれていたりする。また、歴史学科は、2年次に日本史コースと西洋史コースに分かれ、さらに3年次に女性史研究コースが 設けられている。また、歴史学科とは別に、京都ならではの文化財学科が置かれ、考古学コースと美術工芸史コースが設置されている。地の利を生かした特長的 な学科となっている。また看護学部と幼児教育コースがコラボしたり、児童教育コースと英語コミュニケーション学科を同じ学部に設置するなど、大学の規模を よく生かして、全学で有機的な教育体制を構築している。実際にはどうか分からないが、これまでに読んだ中規模(総学生数3000人程度)大学のパンフレッ トの中では一番練られていると思う。
また、キャンパスもJR山科駅から路線バスで15分と、割と通いやすい場所にある。下手に学部を増やしたり珍奇なプロジェクトに携わったりせず、学生教育に力を注げば、入試倍率3~4倍程度の人気は維持できるであろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください