パンフレット研究:佛教大学

佛教大学のパンフレットを読む。
私自身の母校でもある。7年前に佛教大学の通信教育部の特別支援教育免許課程に入学し、京都の大学にスクーリングにも出かけた。まだ子どもが生まれていない時だったので、一人で京都散策を満喫した思い出がある。

大学はJR京都駅から地下鉄で15分の北大路駅からバスで10分の紫野という市内中心部からやや外れに位置する。しかしその分だけ約6400名の全学生が一つのキャンパスで学ぶことができ、大学としてのまとまりがあるように見受けられる。

1870年知恩院山内の仮勧学場を源流とする。1913年に佛教専門学校と改め、1949年に佛教大学に昇格し、仏教学部仏教学科を開設している。そして 1953年には関西で最初となる通信教育課程を設け、文学部、社会学部、教育学部を開設している。現在では仏教学部、日本文学科、中国学科、英米学科からなる文学部、歴史学科と歴史文化学科からなる日本初の歴史学部、教育学科と教育心理学科からなる教育学部、現代社会学科と公共政策学科からなる社会学部、社会福祉学部、理学療法学科と作業療法学科からなる保健医療技術学部の7学部13学科へと「進化」している。

浄土教系の大学らしく、「ブッダの教え」と「法然の生涯と思想」という全学共通科目を1年次必修としている。また仏教学科では浄土宗教師養成の科目が揃っている。
羅列的な多くの学科を1学部にまとめてしまう大学がある一方で、佛教大学では逆に多くの学部を揃え、コースを細分化して学生のニーズに応える形をとっている。特に日本で最初となる歴史学部は歴史学科と歴史文化学科に別れ、それぞれ日本史コース、東洋史コース、西洋史コース、京都学コースの4コースと、考古学・地理学コース、民俗学・文化人類学コース、芸術文化コース、京都学コースの4コースに2年次から分かれる。どちらの学科にも京都学コースが設置されており分かりにくい設定になっている。歴史「学部」として趣向を凝らしたようだが、歴史学というある意味「マニア」な学問がさらに「タコツボ」化されているようで、窮屈な印象は否めない。

また、教員養成に力を注いでおり、通信教育課程の併習制度を利用すれば、どの学部学科でも小学校1種免許が取得できる。2009年度は延べ979名の学生 が教員免許状を取得している。例えば文学部日本文学科では書道の授業があり、中学高校の国語1種、高校書道、特別支援学校1種に加えて、小学校1種も取れ る。国立大学の教育学部以上ではないか。おそらくは東京圏でいうと文教大学に近いイメージの学校であろうか。

また、どの学部もフィールドワークに力を入れており、祇園祭に参加したり、酒づくりプロジェクト、京都モデルフォレスト運動など、その活動範囲は多 岐に亘る。読みながら、先日テレビで見た湯浅誠氏の「活動家養成塾」を思い出した。市民・反戦運動のリーダー養成といったフィールドワークを打ち出す大学 が現れると面白いのではないか。野宿者運動や組合運動の現場から失業問題を考えたり、学生という立場を利用して各団体の反戦・平和運動に参加したり、合法 非合法問わずデモや集会に加わって「自由」の問題を論じてみたりして、4年間で大学認定の「活動家」になるというカリキュラムである。勿論英語や中国語と いった語学教育の充実、国際経済や日本の政治思想なども必修科目である。そして労働団体やNGOなどのスタッフとして活躍する。なんと夢が広がるではない か。
おっと、閑話休題。
学部構成がちょっと変わってはいるが、

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