少しゆっくりできる日が続いたので本を読む時間を取ることが出来た。小論文指導をしているので、小論文関連の参考書を読んだ。
鷲田小弥太『小論文作法』(三一新書)はテーマから結論の導き方について他の参考書にはない「論拠」の示し方が詳述されていて分かりやすかった。
酒井敏行『酒井の小論文《思索の森へ》』(代々木ライブラリー)は参考書というよりも一つの読み物として面白かった。
ただ受験参考書としては異色な代物だ。このなかで著者酒井は結論のまとめ方について高橋哲哉の『戦後責任論』を挙げて、「自分の意見をきめるためにはどうしても『責任』を持たなければならない」と述べ、「主体化」を重視している。個人的には好感の持てるくだりであるが、指導する立場でどこまで徹底できるかは難しい点だ。