パンフレット研究:愛国学園大学

愛国学園大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1962年に千葉県四街道市に開設された愛国学園女子短期大学家政科を母体とし、1998年に人間文化学部1学部1学科の女子4年制大学として出発している。しかし、開設された年から定員割れが続き、入学定員の充足率が日本一低いことで有名なFランク大学の常連校である。入学者定員100名に対して、2010年度は16名、2011年度は18名、2012年度は25名と厳しい状況が続いている。閉学して当然なのであるが、法人全体で高校を3校、短大1校、保育専門学校1校、保育園1校を経営しているので、息も絶え絶え何とか延命している状況である。なお、校舎の方も付属高校と繋がっており、図書館やグラウンド、体育館を、LL教室を高校と共有して利用している。

2012年度の在籍者65名に対して、専任教員17名という徹底した少人数教育は自慢できるであろう。心理学や文化学について学ぶ人間文化コースと、福祉という名前のついた科目を学ぶ生活福祉コース、名前だけ派仰々しい科目を学ぶ情報ビジネスコースの3コースが設置されている。本当に65人という在籍に対して上記の科目が開講されているのであろうか。疑問を通り越して下世話な興味を禁じ得ない。人間文化コースでは、認定心理士と上級秘書士、その他のコースでは上級秘書士と上級情報処理士の2つの資格が取得できる。

パンフレットを全部読んでみたのだが、どのコースも全くカリキュラムの体をなしていない。「リベラルアーツ型の教育の志向と、専門性を持った教養人の育成」を掲げてはいるのだが、基礎から学力を積み上げていくという発想が全くなく、ただ適当に科目を揃えただけで済ましてしまっている。入学者数が尋常ではなく少ないので致し方ないのであろうが、専門学校を見習って、少しでも就職の武器になるような資格取得に向けたカリキュラムに変えていかないと、3年を待たずに潰れてしまうであろう。
いずれにせよ、学生が4学年で65人しかいないというのは、いくらでも変わっていく余地があるということである。若い優秀な先生も在籍しているので、経営陣との軋轢はあろうが、是非抜本的な改革を期待したいところである。

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