内田康夫『天河伝説殺人事件』(角川文庫 1990)を読む。
一昨日まで同氏の『熊野古道殺人事件』を読んでいたのだが、電車内で眠りこけてしまった際に、どこかへ忘れてきてしまったようだ。
その代わりという訳ではないが、夏休み最後の読書のつもりで手に取ってみた。上下巻に分かれ、この手のミステリーとしてはかなりの長編である。
京都や奈良から見ると、吉野の奥地にあるのが、作品の舞台となった天川村や十津川村である。山深い谷間の村に纏わる殺人事件ということで、天川村の位置関係や地名などを地図で確認しながら読み進めていった。「本格」ミステリー作品であるにも関わらず、能楽に関する蘊蓄も理解できる、一冊で2度美味しい作品である。
『天河伝説殺人事件』
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