昨日の東京新聞夕刊一面に、硯や碁石の原料として知られる三重県熊野市産の那智黒石が、岩波書店の広辞苑で1955年以来、熊野那智大社のある和歌山県の那智地方で産出したと誤記されたままになっているという記事が掲載されていた。
ちょうど、昨日那智勝浦に行ってきたばかりだったので興味深かった。那智の黒石は熊野市神川町で採掘され、主に熊野那智大社周辺で販売されている。那智勝浦町では採掘されておらず、熊野市産出というのは間違いないようだ。
それにしても、この三重と和歌山の県境付近は地名が混在しており、辞書編纂の担当者が間違えるのも無理はないのではないか。熊野や紀伊という地名や駅名が三重にも和歌山に複数存在し、さらに文化圏も地続きとなっているため、他県の人にはなお分かりにくい。混乱に拍車をかけるような情報はきちんと峻別されるべきであろう。
那智黒石
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