パンフレット研究:帝京平成大学

帝京平成大学のパンフレットを読む。
主なキャンパスは池袋であり、2013年に中野キャンパスの開設が予定されている。パンフレットでは「健康・医療・福祉・教育・情報の総合大学」であると謳われている。そのキャッチコピー通り、薬学部、看護、はり灸、柔道整復学科からなるヒューマンケア学部、栄養や理学療法などの健康メディカル学部、そして、教育や社会福祉、経営やレジャー、スポーツなどごっちゃまぜの現代ライフ学部からなる。さらに千葉にキャンパスを設け、柔道整復や理学療法、医療スポーツなどからなる地域医療学部が2008年に開設されている。同じ大学なのに、キャンパスの違いで似たような学科が重複しており、非常に分かりづらい。元々は1986年に設立された情報学部のみの帝京技術科学大学が母胎であり、1995年に帝京平成大学に名前を変えてから、資格や就職に比較的強い医療福祉系の学科を寄せ集めている。同じ学部なのにキャンパスが異なるなど、大学全体の一体感は皆無であろう。

また入試も青田買いでおかしなものになってしまっている。例えば平成22年度の健康メディカル学部健康栄養学科の入試では、AO入試で募集定員27名のところ、258名が受験し合格者は42名、推薦入試では定員8名のところ、58名が受験し合格者は35名と、定員を無視して合格を乱発している。一方で、一般入試は募集35名のところ、114名が受験して合格者は22名、センター利用入試では7名の定員に対して72名が受験したにも関わらず、7名しか合格者を出していない。他の学科も軒並みAO入試や推薦入試でかき集めている状況だ。これでは高校側も一般入試に生徒の目を向けさせられないだろう。

さらに学費の「月払い制度」があり、奨学金が振り込まれる口座から帝京平成大学の口座に定期的に自動送金されるという「親切丁寧」な制度が導入されている。
本体の帝京大学の補完的な大学なので、サークル活動やクラブ活動も低調で、「大学」という名のついた専門学校の域を出るものではない。

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