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『花宴』

あさのあつこ『花宴』(朝日新聞出版,2012)を読む。
江戸時代の物語である。武士の魂や当時の女性の恋愛なども交えながら話が展開していく。
『バッテリー』でも感じたが、著者は、小説の中で話の中心的な場面(試合や恋愛)はあまり描かず、回想シーンや前後のストーリーによって、事の重大さを表現しようとしている。時代も話題も全く違うが、『バッテリー』を読んでいるような感覚であった。

『国家の罠』

佐藤優『国家の罠:外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社,2005)を少しだけ読む。
東京拘置所で512日勾留された著者が、拘置所の経験やそこへ至った外務省の内実を明らかにしている。著者が関わっていたゴルバチョフ、エリツィンからプーチンへと権力が移譲していく様子など、ロシア内部の政治が面白かった。勾留時代のメモをもとに執筆されたようだが、著者の行動力と記憶量の凄さに圧倒される。