東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』(講談社文庫 1997)を読む。
読者を試す本格推理小説であった。最後まで犯人は分からないのだが、裏の裏の裏まで話しが展開していき、主要登場人物の4人全員が巧みな演技と緻密な戦略を立てているというのは少し違和感を感じた。しかし、読みやすい文体で一気に読み終えた。
月別アーカイブ: 2022年9月
『黄金豹』
江戸川乱歩『黄金豹』(ポプラ社 1964)をパラパラッと読む。
全202ページの小説で、最後のページになって、犯人が怪人二十面相だと明かされる。相変わらずのパターンで宝石商がどこからともなくやってきた黄金の豹に奪われる。また、厳重に警戒した中で、犯行予告通りに宝石を奪うなどのエピソードなど、どこかで読んだような展開であった。
「自己管理のいま~“わたし”が数値化する中で」
『地下街の雨』
宮部みゆき『地下街の雨』(集英社文庫 1998)を読む。
1994年に刊行された本の文庫化である。表題作の他、6編の短編が収録されている。
ちょうどフジテレビのオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」のような、ちょっと不思議な、人間のいやらしい面をモチーフとした短編ドラマが繰り広げられる。