月別アーカイブ: 2022年9月

『どちらかが彼女を殺した』

東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』(講談社文庫 1997)を読む。
読者を試す本格推理小説であった。最後まで犯人は分からないのだが、裏の裏の裏まで話しが展開していき、主要登場人物の4人全員が巧みな演技と緻密な戦略を立てているというのは少し違和感を感じた。しかし、読みやすい文体で一気に読み終えた。

『黄金豹』

江戸川乱歩『黄金豹』(ポプラ社 1964)をパラパラッと読む。
全202ページの小説で、最後のページになって、犯人が怪人二十面相だと明かされる。相変わらずのパターンで宝石商がどこからともなくやってきた黄金の豹に奪われる。また、厳重に警戒した中で、犯行予告通りに宝石を奪うなどのエピソードなど、どこかで読んだような展開であった。

「自己管理のいま~“わたし”が数値化する中で」

本日千葉県蘇我までドライブする中で、文化系トークラジオライフ「自己管理のいま~“わたし”が数値化する中で」(TBSラジオ 2022年8月28日放送)を聞いた。私たちは、学校の成績やダイエットアプリなど、あらゆる場面で数値で評価される生活を送っている。『サイコパス』という漫画の世界観を挙げながら、アナログな人間の生活や思考を数値化することの功罪を問う。

ドラゴンボールなどの少年漫画の世界も数値で埋めつくされるが、ヤンキー漫画や少女漫画は数値とは無縁であると指摘は興味深かった。また私と同学年の兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授の永田夏来さんの思い出話も面白い。

『地下街の雨』

宮部みゆき『地下街の雨』(集英社文庫 1998)を読む。
1994年に刊行された本の文庫化である。表題作の他、6編の短編が収録されている。
ちょうどフジテレビのオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」のような、ちょっと不思議な、人間のいやらしい面をモチーフとした短編ドラマが繰り広げられる。

「旧ソ連圏紛争 米接近」

本日の東京新聞朝刊に、授業の中で紹介したアゼルバイジャンとアルメニアの紛争が報じられていた。授業の中では、2年前はのび太とスネ夫の喧嘩をジャイアンであるロシアのプーチンが仲裁に入ったとの例え話を持ち出した。

民族や宗教、言語が入り混じっているカフカス山脈周辺は、これまで絶対的なガキ大将であったロシアが睨みをきかせていたため、これまで対ロシア以外の衝突は起きなかった。しかし、カスピ海を挟んだ中央アジアでも地域紛争が増えている状況を見ると、政治だけでなく、原油や天然ガスをめぐる経済対立も激化していきそうだ。