筒井康隆『天狗の落し文』(新潮文庫 2001)をパラパラと読む。
主に90年代に著者が「小説新潮」に不定期に連載していた小説の断片が集められている。箴言や下ネタ、不条理、言葉遊びなど、著者のマルチな文才が伺われる作品集となっている。
印象に残ったものを引用してみたい。
学んだことはいったん忘れること。
よく、学んだことを口にくわえたままの人がいる。
本人の資質やルサンチマンは低いレベルにとどまったまま。若い時は前頭部が痒くなる。思考部位を使っているからだ。歳をとると後頭部が痒くなる。記憶部位を使っているからである。