月別アーカイブ: 2021年2月

『ヤクザと家族 The Family』

上の子とララガーデンで、綾野剛主演、 藤井道人監督『ヤクザと家族 The Family』(2021 角川)を観た。
この時代に、ヤクザ映画かと思ったら、帰るべき家族の問題をストレートにぶつける直球映画だった。

『イン ザ・ミソスープ』

第49回(1997年) 讀賣文学賞小説賞受賞作、村上龍『イン ザ・ミソスープ』(読売新聞社 1997)を読む。
新宿歌舞伎町の風俗街を舞台にしたサスペンスドラマである。どんなに美しい人もきれいな街も、一皮剥けばどろどろした気味の悪いものであるという真実を描く。
殺害シーンの描写など、鬼気迫るものがあるが、中途半端な感じは否めない。

『オスとメス 求愛と生殖行動』

小原嘉明『オスとメス 求愛と生殖行動』(岩波ジュニア新書 1986)をパラパラと読む。
著者は動物行動学の専門家で、モンシロチョウを中心に様々な昆虫や動物の生殖行動を科学的に分析している。しかし、最後に人間の性について語るのだが、色々と議論の分かれる部分であろう。

メスあるいは女というものは、どういうものかということを思い出してほしいと思います。メスあるいは女という性は、基本的に求められる性であり、相手の性を選択する性であること、そしてよりよい選択をしたメスが、より大きな生殖成功、あるいは幸せを手にできるということを、もう一度思い起こしてほしいと思うのです。
たとえば、オスのプレゼントが自分の生殖成功を高める価値のあるものだとわかるまでは、決して交尾を許さないツマグロガガンボモドキの慎重でかしこい行動を思い出して下さい。交尾をのばしのばして、ついにオスを子育てにひきこむコマドリの行動を思い出して下さい。メスは、交尾に「はじらいをもつ」ことで、オスの素質や熱意のあるなしなどを、十分にチェックできるのです。
このことは、そのまま人間にあてはまるものではないかと私は思います。

「放射性廃棄物 廃炉で16万トン」

本日の東京新聞朝刊に、廃炉が決まった原発の放射性廃棄物が合計で16万トンに及ぶとの記事が掲載されていた。知っての通り、放射性廃棄物は今後10万年にわたって、人体に有害な放射線を排出し続けるやっかいな代物である。これまで日本では、使用済みの燃料からプルトニウムを取り出して作られる「MOX燃料」を再利用することで、半永久的な燃料リサイクルの仕組みを作ると喧伝してきた。しかし、そのリサイクルの要であった高速増殖炉「もんじゅ」は1回も運転できないまま廃炉が決定している。つまり、見切り発車で物事を進めた結果、処分場所がないにも関わらず、どんどん核のゴミを作り続けてきたのだ。

先日の東日本大震災の余震の大きさで分かるが、日本全国、津々浦々地震と無縁の地域は無いのが現状である。一方で、授業中に触れた安定陸塊は数千万年レベルで地震が発生しないことで知られる。日本はこれまでもフランスに核のゴミを輸出していたが、それも現在は止められている。現在の核のゴミは安定陸塊のど真ん中に保管をお願いするしか方法はないのだが、それまた問題が噴出してしまう。