月別アーカイブ: 2020年6月

『感動をつくれますか?』

久石譲『感動をつくれますか?』(角川oneテーマ21 2006)を読む。
知っている話が続くと思いきや、10年ほど前に既に読了していた本であった。

映画音楽プロデューサーとして夙に有名な久石氏は、他者の評価や商業ベースに則った上で、作者自身の直感や感性を大切にするべきだと述べる。予定調和で全く冒険をしない作品はつまらないし、作者の独善的な判断に依拠しては次がない。そうしたプロの芸術家としての心構えを説く。

『科学と非科学の間』

安斎育郎『科学と非科学の間:超常現象の流行と教育の役割』(かもがわ出版 1995)を読む。こっくりさんや超能力実験、当時バラエティ番組で話題だった霊媒師の宜保愛子さんや早稲田大学の大槻教授のやりとりを通して、オカルトや似非宗教の危なさについて指摘する。

『水曜日が消えた』

上の子と一緒に、監督・脚本吉野耕平、主演中村倫也『水曜日が消えた』(2020 日活)を観に行った。
解離性同一性障害をモチーフにした映画である。新海誠監督の『君の名は。』に似ていると思ったら、脚本監督の吉野氏自身が同作にも参加していた。展開がすこし早くて付いていくのでやっとだったが、最後はハッピーエンドで終わって良かった。

「中印衝突 インド軍20人死亡」

本日の東京新聞朝刊に、中国とインドの間の国境未確定地域で両軍が本格的に軍事衝突をし、死亡者まで出たとの報道があった。記事によると、軍事衝突で死者が出るのは、1975年以来、45年ぶりである。

地図帳P27の南アジアの地図を見てください。パキスタンの首都イスラマバードから北西に400kmほどの、カラコルム山脈のところにラダク(Ladakh)と呼ばれる地域があります。地図の色で見ると、標高3,000mを超える山岳地帯です。

おそらくは、中国進出の背景にはパキスタンとの何らかの関係が含まれているものと推測できる。国際政治のセオリーは、「敵の敵は味方」です。インドの宿敵であるパキスタンに対し、中国が秋波を送ったのではなかろうか。

「北朝鮮が連絡事務所を爆破」

本日の東京新聞朝刊に、北朝鮮が国内にある南北共同連絡事務所を破壊したとの報道があった。授業の中で触れていきますが、朝鮮半島の南北の国は1950年代に休戦協定を結んで以降、とりあえず戦闘が止まっているという状態です。ちょうど20年前の2000年に金大中大統領と金正日総書記が南北共同宣言に署名し、平和的な統一を目指して経済協力を推進することで歩調を合わせてきた。今回の事件の場となった開城(ケソン)は、北朝鮮国内の観光地であり、外国人を受け入れてきた北朝鮮の外交政策を象徴する場所でもある。そこの事務所を破壊したというメッセージを確認しておきたい。