月別アーカイブ: 2019年4月

『在日韓国人の終焉』

鄭大均『在日韓国人の終焉』(文春新書 2001)をパラパラと読む。
大昔に研究収録を書くために購入した本である。冒頭部に結論が書かれており,一貫してタイトルにもある通り,在日2世である著者が,自身の帰属と絡めて,在日韓国人の日本への帰化を促す内容となっている。在日朝鮮人が総連を通じて北朝鮮への国家意識を強調する一方で,民団は韓国への帰属をあえて促すことはしていない。そうした南北の姿勢の違いを踏まえ,著者は次のように述べる。

 本書で私は在日韓国人はそろそろ日本国籍を取得していい時期にきているのではないかと記している。今日の在日韓国人に見てとれるのは,韓国籍を有しながらも韓国への帰属意識に欠け,外国籍を有しながらも外国人意識に欠けるというアイデンティティと帰属(国家)の間のずれであり,このずれは在日韓国人を不透明で説明しにくい存在に仕立て上げている。
例えば,二世の親は三世の子どもから,なんで自分は日本で生まれたのに日本人ではないのかと訊かれたとき,それに答える準備があるのだろうか。今日の在日家族の中心にいるのは二世の親たちであるが,韓国は彼らにとっても帰属意識や共属感情が作用する地ではない。にもかかわらず,韓国籍を維持しているのはなぜか。韓国籍を維持しているということは,私たちが韓国と運命をともにすることを意味するものであり,実際私たちの日本における処遇は韓国政府と日本政府の協議に任されてきたのであるが,帰属意識もない国に自らの運命を託すという態度を,私たちはどのように説明したらいいのか。そのことが説明できるのかどうかということである。
ではどうしたらいいのか。在日韓国人はそのアイデンティティに合わせて帰属を変更すればいい。つまり,私たちは日本国籍を取得して,この社会のフル・メンバーとして生きていけばいいのであり,そのために必要なら国籍選択権を主張し,帰化手続きの弊を批判すればいいのである。在日韓国人が日本国籍を取得することは本国の韓国人との間に対等で透明な関係を築くためにも好ましいものであろう。
在日韓国人が日本社会のフル・メンバーになるということは一方では日本社会の多元化や多様化にとっても好ましいものであろう。少子化や高齢化が進行する日本は今や移民や外国人労働者を積極的に受容していい時期にきているという意見がある。しかし,その前に解決すべきは在日の国籍問題であり,コリア系日本人の誕生は日本社会の多元化のとっかかりになるものであろう。

著者は,移民や外国人労働者受け入れを前に在日韓国人の問題をクリアーにすべきだと述べているが,すでに移民や外国人労働者の問題に直面している以上,在日韓国人の問題は過去のものになってしまった感がある。
私自身,何が正解で何が間違いなのか,見当がつかない。子どものような発想だが,日本人も韓国人も朝鮮人も中国人も,全員東アジア人だというアイデンティティを持ちえないのであろうか。

男3人で花見ライド

一人ライドから帰ってきて,休む間もなく,真ん中の子と下の子と花見ライドに出かけた。
と言っても,小学生の男の子が花なんかに興味のあろうはずがなく,カードショップとイオンのゲームコーナーを回っただけだった。


関宿城・権現堂サイクリング

朝寝坊したので,一人で関宿城から権現堂を回るサイクリングに出かけた。
久しぶりにライド400で走り,気分転換ができた。


幸手の外れに位置する名もない神社


江戸川サイクリングロード
落車したわけではない。


関宿城で桜祭りが行われていた。


関宿城から権現堂に移動する途中。歩行者のみ使用可能な陸橋。


権現堂の様子。観光客で溢れかえっていた。


帰り道。権現堂近くの道の駅にて。
大渋滞で,道の駅でトイレを借りる人が続出していた。
駐車場もいっぱいだったので,幸手駅から歩いた方がお花見をゆっくりと味わえたのでは?

『イラクの戦場で学んだこと』

岸谷美穂『イラクの戦場で学んだこと』(岩波ジュニア新書 2005)をざっと読む。
イラク戦争開戦前夜,イラク領土内のクルド人自治区で支援活動を行っていたピース・ウィンズ・ジャパンの現地スタッフだった著者が,国際政治に翻弄されるクルド人自治区での現状を語る。
著者が働いていた当時は,イラクに対する経済封鎖が行われており,クルド人自治区は二重に経済封鎖が敷かれている状況だった。また,アメリカのCIAやイギリスの諜報員が反政府組織であるクルド人自治区に入り込んでいるなど,国際政治に複雑さが垣間見えてきた。

『自転車で健康になる』

中村博司・高石鉄雄『自転車で健康になる』(日本経済新聞出版社 2009)を読む。
今どきの本には珍しく,写真やイラストも全て白黒で,数十年前の本かと見間違えてしまう。
物理の簡単な法則や運動生理学の観点から,自転車が走る際の抵抗がどのように身体に掛かるのかといった研究や自転車を楽しむことで自然に内蔵脂肪が減る仕組みについて科学的に説明している。
運動強度が高いにも関わらず,飽きることなく長時間ペダルを回し続けられる自転車のメリットが理解できた。