本日の東京新聞夕刊に,パリ協定長期成長戦略懇談会が今世紀後半に温室効果ガスの排出を80%減らすとの提言を出したとの記事が掲載されていた。懇談会のメンバーに経団連の中西宏明氏が名前を連ねており,「脱炭素」の実現がもてはやされるあまりに,原子力発電が再び「クリーンエネルギー」として返り咲くことに対しては懸念を示しておきたい。
かつて,京都議定書の協約実現に向けた「チームマイナス6%」の掛け声のもと,地球環境に優しいという触れ込みで原子力発電開発がゴリ押しされてきた。果たしてその結果はどうだったのか。
温暖化防止の長期戦略
パリ協定は,目標達成のため,各国に温室効果ガス排出を少なくして成長する長期戦略を立案することを求めている。日本は昨年8月,安倍晋三首相の有識者懇談会を設置し,議論を進めてきた。今年6月,大阪市での20カ国・地域(G20)首脳会合前に策定することを目指す。懇談会は国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長が座長。トヨタ自動車の内山田竹志会長,経団連の中西宏明会長,富山市の森雅志市長ら計10人の構成。