月別アーカイブ: 2016年1月

『自転車五大陸走破』

井上洋平『自転車五大陸走破—喜望峰への13万キロ』(中公新書 1995)を読む。
タイトル通り、1987年6月から1993年の12月までの6年半の間に、世界5大陸を自転車で走破した旅(ほとんど生活)日記である。
乗っている自転車からカバンを盗まれたり、アフリカ・コンゴ民主共和国の反政府騒動の群衆に取り囲まれたり、南米・チリで友人を亡くしたりと、これまで読んだ20冊近い自転車旅の本の中でも一番の過酷な旅日記であった。
ちょうど冷戦の崩壊時期と重なっており、東欧諸国の風景やベルリンの壁の崩壊後の模様など、今となっては時代の流れを感じる内容である。
著者は50キロ近い荷物とともに1日百数十キロの旅を続けていた。ここまでの旅はできないが、1日に200キロ近く走れるくらいの筋力をつけるように日々のトレーニングを大事にしたい。

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「文化系大忘年会2015」

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ハンドルを握りながら、podcastで配信されている文科系トークラジオLife「文化系大忘年会2015」(TBSラジオ 2015年12月27日放送)を聴いた。
昨年より車に乗る機会が減ったので、外伝を含めて全部聴いたのは久しぶりであった。いくつか非常に興味ふかい話があった。
あまりに雑多な情報過多で、四半期ベースでゆく年くる年をやらないと世相についていけない現代状況、それゆえに次から次へと刺激を追い求めなければならないマスコミや広告業界の話や、「どこへ行く」というよりも「誰と行くのか」というのが重要な要素となっている観光業界の変化、古今東西問わず人間は150人としか親しくなれないとう生物学の法則等、関連する書籍を読んでみたくなった。
特に、映画館の4Dやロックフェスなどの体験型イベントの話が心に残った。コンテンツの文脈や中身よりも、誰とどこで、どのような形で参加するかが、あらゆる業界で問われている。今年1年間、注視していきたい。

沼田市散策

本日は時間があったので、群馬県沼田市内を軽自動車でぶらぶらと散策した。
ここ数年、長期の休みにジオパークを巡っており、タモリも注目したという有名な河岸段丘を見てみたいという思いであった。また、今年から始まる大河ドラマの主人公の真田幸村の兄である真田信之が城主を務めた沼田城を見たいという気持ちもあった。

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関越道に乗るのに迷い、高速のジャンクションでも道を間違え、関越道沼田インターを下りたのが1時過ぎであった。

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河岸段丘を形成したという利根川の様子。一体どこに山を削るだけの力があるのだろうかと疑問に思うほど穏やかな流れであった。

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沼田駅から沼田城址公園まで真っ直ぐ登れないほどの急な坂であった。最初自転車で上ろうと思ったが、ものの2分で挫折した。普段坂のない埼玉県東部地区で生活しているので、余計辛く感じた。

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沼田城址公園の様子。城はかつて五層の天守閣のある立派なものだったらしいが、1682年に幕府の命で取り壊され、現在では跡形も残っていない。石垣の一部が発掘されているが、そこから往時の城の姿を想像することは難しい。平日であるにも関わらず、観光客は多かった。

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沼田市の片品川沿いの風景。河岸段丘を利用した農地なのだが、カメラにはうまく収まらない。

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昭和村役場の正面と廊下の様子。村役場が村の端っこに位置する。2005年に沼田市が白沢村と利根村と合併したために、昭和村の北東西の三方が沼田市に取り囲まれるようになっている。
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昭和村の河岸段丘を利用したこんにゃく畑の風景。全国生産量の90%近くが群馬県で生産されており、その半分近くを昭和村近辺の地区が担っている。

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再び沼田市内の風景。段丘崖が分かりやすいカットを収めようとしたのだが、スマホのカメラでは上手く出来なかった。

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最後に、帰り際に出会った不思議なモニュメント。お寺のオブジェらしい。

都心をぶらぶらと

春のような陽気だったので、目的もなく都心までサイクリングに出かけた。新しいロードレーサーの試走も兼ねて、長距離を走った。
越谷のゴミ処理清掃工場を横目に、中川沿いを走って行った。国道6号線から浅草に向かい、入谷界隈を走った。途中「下谷七福神」を散策する列と一緒になった。その後、日暮里駅、田端駅、大塚駅前を通り、池袋、早稲田を抜けて、新宿西口までぶらぶらと裏道を繋いで走った。新宿駅から靖国通りを通って、4号で帰ってきた。
走行距離は110キロほどだろうか。クロスバイクよりも明らかに体への負担が軽減した。さて、次はどこへ行こうか。

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『格付けしあう女たち』

白河桃子『格付けしあう女たち—「女子カースト」の実態』(ポプラ新書 2013)を読む。
タイトルはバラエティ番組っぽいが、真面目な内容の本であった。特に明確な評価の基準がない専業主婦仲間における「カースト」の実態から、男女の生き方や価値観の違い、女性の選択肢の多様化、昭和的価値観の弊害など、話は拡がっていく。最後に、著者は「カースト」に縛られない生き方や社会のあり方まで具体的に提言している。
公平や協業、コミュニティを重視する女性の行動原理は、もともと対立や上下関係を作らないものである。しかし、「男性からの目線」や「女の幸せ」といった曖昧な価値観に晒されることで、容易にそれは極めて煩わしいものになると分析している。