内田康夫『砂冥宮』(実業之日本社 2009)を読む。
朝鮮戦争当時に勃発した内灘闘争で共闘した学生の絆をモチーフにした殺人事件である。
話展開は強引であったが、我らが名探偵浅見光彦の神業ともいえる偶然を呼び寄せる力もあり、最後はキレイにサッパリに事件は解決する。
殺人事件そのものよりも、その背景となった内灘闘争の方が気になった。
安保法案改定に伴い、砂川闘争事件が数週間前に脚光を浴びていたが、アメリカ軍が使用する砲弾の試射場が建設されることになった内灘闘争こそ、「後方支援」反対運動の最たる例であろう。