石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』(幻冬社文庫 2007)を何日か掛けて読む。
1995年夏から2002年末まで、7年半かけて北米大陸から南米大陸、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジアを自転車で駆け巡った旅日記である。
自転車ならではの旅の醍醐味を期待して読み始めた。しかし、あまりに時間と距離のスケールが大きすぎて、小回りが利いて自分の足で一歩一歩距離を縮めていくという自転車ならではの感覚を味わうことができなかった。また、世界某所での危険な体験や心温まるエピソードなども、あたかも拵えたかのようにでき過ぎており、かえって一作品として印象が薄いものとなってしまっている。
度肝を抜くような体験談ばかりだったので、わざわざ文字で他者に伝えようなんて考えず、作者自身の心の原風景の中に留めておいたほうがよかったのでは。
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『サイクリングライフ vol.1』
サイクルスポーツ編集部『サイクリングライフ vol.1―ペダルを踏んでどこまでも行こう! クロスバイク徹底活用術!!』(八重洲出版 2010/04)を読む。
クロスバイクの特徴に始まり、購入方法、運転マナー、改造パーツ、自転車通勤でのアドバイス、ポタリングやレースでの活用など、タイトル通りクロスバイクの活用術が目白押しである。ちょうど今読みたい情報ばかりだったので、充実した読書体験となった。
『高石式 アクティブサイクリング 自転車に乗ろう!』
高石鉄雄『高石式 アクティブサイクリング 自転車に乗ろう!』(土屋書店 2009)を読む。
著者は名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科で、運動生理学の観点から自転車と健康について研究をしている専門家である。
スポーツや趣味からではなく、健康という面から自転車に真正面に向き合っている。歩行と自転車の消費エネルギーの違いや、自転車のタイプと心拍数の変化、ペダルの位置による使われる筋肉の種類など、計測データに基づいて科学的に説明がなされている。結論としては、メタボ対策の一番の特効薬は血糖値コントロールに優れた自転車であり、さらに軽快車よりもクロスバイクの方が、体の後ろにある大臀筋や大腿二頭筋をバランスよく使うため、美容にもベストであるとのことだ。やはり健康科学の専門家の意見なので、ストレッチやフォームを含めてすんなりと納得することができた。
自転車通勤を始めてまだ1ヶ月であるが、体重は1kg減った。ウエスト部分は確実に細くなってきている。事故や怪我をしたら何もかもが水の泡なので、事故や怪我をしない技術を徐々に身につけていきたい。