真宗大谷派の大学であり、その起源は1665年開設の東本願寺学寮にまで遡る。1896年に真宗大学と改称し、1922年の大学令によって大学となった。京都の中心地にあり、市営地下鉄の北大路駅前にキャンパスが置かれている。
文学部の中に9学科設置され、仏教学科とは別に、東本願寺に所蔵されている親鸞の著書『教行信証』や『歎異抄』など、親鸞の思想や生き方を学ぶ真宗学科が 置かれているのが特徴である。その他、哲学科、社会学科、歴史学科、文学科、国際文化学科、人文情報学科、教育・心理学科が置かれている。しかし、どの学 科も凡庸で、小学校免許と幼稚園教諭の免許が取得できる教育・心理学科以外は受験生獲得に苦労しているようだ。
とりわけ、人文情報学科では、新入生全員に「iPad(アイパッド)」を配布し、情報処理技術や情報社会で必要なスキルを身につけるとのことだが、いかに も付け焼き刃的な発想で、4年後の学生の就職や進学に責任を果たしうるのだろうか。学科の教員を紹介を見ても、プログラミングや通信技術についての専門家 が2人しかおらず、他はチベット仏教の教授がWebアプリケーションを担当したり、仏教学のモンゴル研究の教授がマルチメディアを担当するなど専門学校以 下の陣容である。
また、1993年に開設された国際文化学科もひどい。語学の授業も徹底しておらず、カリキュラムに何の脈絡もない。就職の心配のないハイソなお嬢さんを相 手にした女子大ならばよいが、社会人向けの公開講座のような耳当たりのよい科目を並べただけの学科ではどうしようもない。
そもそも文学部の中にあらゆる学科を突っ込んで、「人間」という観点で括ってしまうのはいささか強引な気がする。しかし、これこそが一向宗の教えの顕れなのだろうか。
短期大学部には仏教科と幼児教育保育科が置かれている。2年間で幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が取得できる保育科は関西でも人気が高く、倍率は2倍を越える。