文化女子大学のパンフレットを読む。
服装学部、造形学部、短大、大学院生活環境学研究科が新宿駅から歩いて7分の新都心キャンパスに、現代文化学部が小平キャンパスに位置する。ファッション 関係のゆるい大学だと思っていたが、パンフレット読む限りかなりまじめな大学だという印象だ。服装学部と造形学部はそれぞれ10のコースに分かれており、 どのコースのページにも「資格と将来の進路」「卒業生の主な進路」が細かく明記されており、専門学校に近い実践的なプログラムが組まれている。例えば、造 形学部生活造形学科ジュエリーメタルワークコースでは、ジュエリー作成の実習が豊富に組まれ、将来の仕事や資格に直結するような授業内容ばかりなので、将 来像の明確な女子生徒には楽しいであろう。一方、小平にある現代文化学部は、パンフレットを読む限り特に目新しいものはない。
月別アーカイブ: 2009年8月
パンフレット研究:東京富士大学
東京富士大学のパンフレットを読む。
「教育とは学生に生命をあたへてゆくことである」との創立者の言葉を指針として、教育のプログラムやシステムに工夫を凝らしている。学生生活をスムーズにスタートすることができるよう、学問の基本をしっかりと身につける初年次教育や、就職・資格・論文指導など教員との交流の時間(「コミュニケーションアワー」)など、面倒見のよい大学を売りにしている。
元々短期大学であっったのが、2002年に4年制に改組され、2008年には、経営学部ビジネス学科を経営学科に改称し、新たにビジネス心理学科が開設されている。経営学科には組織と戦略コースと、企業と社会コース、会計と金融コースの3コースがあり、ビジネス心理学科にはマーケティングコースと、メンタルビジネスコース、そして起業家育成コースの3コースが用意され、授業内容含め民間企業への就職に特化した大学となっている。
いろいろと書いてみたが、東京富士大学は、高田馬場から徒歩3分というロケーションが何よりの強みであろう。
『サブプライム問題とは何か』
春山昇華『サブプライム問題とは何か』(宝島新書 2007)を読む。
米国の信用の低い人向けの住宅ローンを証券化するという金融技術の破綻によって引き起こされたサブプライム問題を、素人にも分かりやすく紹介している。読みやすい文章で問題の核心がよく理解できた。
それにしても、ローン債権が当事者の手を離れて、海外で取引されるという効率至上主義的な胡散臭さは、数年前の「牛骨粉」問題を連想させる。
『ノルウェイの森(上・下)』
村上春樹『ノルウェイの森(上・下)』(講談社 1987)を読む。
かなり昔に買って数ページ読んで断念し、長い間本棚の奥に眠っていた本である。
学生時代に手に取ってみたのだが、セックスが日常のものとなっているモテる大人のトレンディードラマのような気がして敬遠していた。
しかし、自分自身が30代後半になってから読み返してみて初めて面白さが分かった。37歳の僕が20年近く前の学生時代を回想する場面から物語は始まる。 そして、17歳で親友を自殺で亡くして以来、「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」という諦念を抱え、積極的に「生きる」エ ネルギーを失った僕が、同じ生き方をしながら結局「自殺」を選んだ恋人、そして同じ境遇から逆に「生」を選んだ友人との出会いを通して、とりあえずこの不 安な世の中を生きていくを選択をしていく物語が展開されていく。前半は恋愛小説のようなトーンであるが、後半に入ると、生きることの意味を問い直そうする 若者の「ビルドゥングス・ロマン」へと変わっていく。
印象的であったのが、女性の膣内に射精をするという行為だけが「生」に繋がり、それ以外のフェラチオやマスターベーションなどの性行為は全て死に彩られる というメタファーである。生と死の境界線をふらふらする若者の生き方と、勃起して濡れて挿入、射精ができるまでが「生」、それ以外は「死」と定義づける セックスシーンが頭の中でクロスオーバーして、確たる読後感のある作品であった。