太田哲也『クラッシュ:絶望を希望に変える瞬間』(幻冬舎文庫 2003)を読む。
あと72時間の命と医師から宣告されたレーシングドライバーが、10数度に及ぶ手術を経て絶望からレース復帰までの心の葛藤を丁寧に綴るノンフィクションである。著者の太田氏は、1998年5月3日に富士スピードウェイで行われた雨の全日本GT選手権でスタート直後の多重事故に巻き込まれ、運転していたフェラーリが爆発炎上し、皮膚の表面積の半分近くが失われるほどの大火傷を負った。そして自殺を企図したり、自暴自棄になったりしながらも、家族の支えと、医者や看護師への感謝、そしてレースへの執念でもって再びハンドルを握るまでの気持ちの変化を自分の言葉で語る。
文章も読みやすく一気に読み終えてしまった。
『クラッシュ:絶望を希望に変える瞬間』
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