紀田順一郎『インターネット書斎術』(ちくま新書 2002)を読む。
パソコン使用に適した書斎のあり方や、パソコンの選び方から始まり、ホームページの主宰の心構えなど、パソコンやインターネットと言語にまつわる思いを書き連ねる。ホームページの管理のおいては特に、文字ばっかりの独りよがりのページにならないようにとの警告には耳が痛い思いだ。
ネット上における日本語であるが、「霞が関」と「霞ヶ関」、「斉藤」と「斎藤」の例のように、日本語は表記や送り仮名などおおらかな面があり、現在のインターネットの検索の上で大きな障害となっていると筆者は指摘している。確かにGoogleで検索すると「霞ヶ関」は182.000件、「霞が関」は230.000件、さらに「霞ケ関」でも12.000件がヒットする。行政は1967年に「霞が関」に統一されたが、地名や駅名は「霞ヶ関」のままであり、さらに1991年の旧総理府監修の政府刊行物でも「霞ヶ関」が採用されたため、混乱に拍車を掛けている。漢字、平仮名、カタカナが混在した日本語の特性は生かしつつ、検索に堪えうる日本語の表記の統一が望まれる。
『インターネット書斎術』
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