月別アーカイブ: 2004年11月

『ハウルの動く城』

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宮崎駿監督『ハウルの動く城』(2004 東宝)を観に行った。
魔法使いが活躍する一流のファンタジーである。話の展開が早く、物語世界の全体がぼやけているので、大人が観るに「すっきりしない」作品だという印象は免れないだろう。しかし、『千と千尋〜』を彷彿させる明るい基調の作品で、子どもには人気を博す作品となるかもしれない。

『夢よ、今日学べ』

佐藤栄太郎『夢よ、今日学べ:21世紀を創造する教育への挑戦 栄東プロジェクト』(佐藤栄学園ライブラリー 2004)を読む。
具体的な教育論はあまりなく、「イモは育つが私学は育たない」と言われた埼玉県で「西の灘、東の開成」を超える進学校を作ろうという熱い思いが綴られている。地方の中規模程度の企業の社長の脚色たっぷりの半生記といった趣だ。

『オールドボーイ』

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パク・チャヌク監督『オールドボーイ』(2004 韓国)を観に行った。
15年間監禁された男の物語という宣伝だったので、トラウマに悩みながら監禁した者と対決する単純な話かと思っていたが、次から次へと男が監禁されるに至った謎が明らかになっていき、犯人が絞り込まれていく推理ドラマのような作品だった。

佛教大学の最終試験

ここ1ヶ月の懸案であった佛教大学の最終試験が終わった。朝早くに西巣鴨にある大正大学まで出掛けた。会場となった大正大学であるが、キャンパスの目抜き通りが銀杏並木となっており、漫画の舞台になりそうな大学らしい雰囲気に満ちていた。試験はと言うと、教育法や教育原理の勉強をしていれば十分に答えられる内容であった。てんかんの定義やらムーブメント法、大脳の機能局在など専門的なことが訊かれなくて助かった。1月にもう一度救済措置として追試験が置かれているが、何とか今回でパスしたいものだ。

  • 「知的障害児学級」の実践的課題及び問題点について考察せよ。
  • 不登校と学校カウンセリングについて述べよ。
  • 学校教育法における現行の障害児教育のあり方と今後の課題についてさまざまな視点から論じなさい。

『やる気をうむ脳科学』

 大木幸介『やる気をうむ脳科学:神経配線で解く「意欲」の秘密』(講談社ブルーバックス 1993)をぱらぱら読む。
 「やる気」なるものは、創造や思考を司る前頭連合野の中でのみ作られるのではなく、体調を管理する視床下部や情動をコントロールする扁桃核、記憶を司る海馬などと密接にニューロンが絡み合った、直径わずか二ミリという小粒の「側坐核」なるところで作られるそうだ。単に気合いだけでは「やる気」は生まれず、挑戦することに対し心地よいと感じることが必要で、また体調や、自分自身の記憶など多くの要素が関わってくる。そうした心身の多くの情報が「側坐核」で具現的な意欲となって現れるそうだ。結果としては目新しいところのない平凡な話なのだが、それを脳の神経配線とシナプスやホルモンの動きから解明した労作である。