鹿野政直『日本の現代』(岩波ジュニア新書 2000)を読む。
現在イラクの多国籍軍による統治の是非が問われている。アメリカのブッシュ大統領や小泉総理は「テロに屈しない」という強烈なメッセージを発しているが、一連の残虐なイラク戦争が大量の「テロリスト」を生んでいるという現状は如何ともしがたい。しかしそうしたイラク統治の正当化の根拠に、日本の戦後処理が挙げられている。戦後のGHQによる占領が日本を民主化に導き、戦後の奇跡と呼ばれた経済成長へつながっていくという歴史がさも美談調に語られるのだ。しかしGHQによる占領政策が一般の日本人に対してはやはり重圧をもたらしたという歴史は、今後のイラク統治を考えていく上で忘れてはならないだろう。日本が独立を果たし、日米安保条約が成立した2日後に皇居でメーデー事件が起きているが、GHQの占領政策との絡みで歴史的に位置づけなされなければならない。
『日本の現代』
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