映画」カテゴリーアーカイブ

『阿修羅のごとく』

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森田芳光監督『阿修羅のごとく』(2003 東宝)を観に行った。
向田邦子原作の映画化で女性の「恐怖」がたっぷり描かれていた。夫の不倫の疑惑が高まれば高まるほど笑顔があふれてくる。また姉妹の不幸を心の底では望み、妹が不幸になると優しく接することが出来るという女性の心理も巧みに描かれていた。淡々とした日常の中に張り巡らされた人間関係の複雑さに、改めて鈍感な私は怖さを感じざるを得ない。

『ロボコン』

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古厩智之監督『ロボコン』を観に行った。
ウォーターボーイズを彷佛させるようなハッピーエンドの予想通りの展開であったが、高校生世代ががむしゃらに一つの目標に向かっていく姿はやはり清々しい。予算に見合った良い意味で背伸びしていない映画であった。たまにはこのような淡々とした映画もよい。

『呪怨2』

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昨日映画『呪怨2』(清水崇監督・脚本)を観に行った。
身の毛もよだつような恐怖シーンの連続で大変疲れる映画だった。特別惨忍な登場人物や血がどくどく飛び出す場面などないのだが、匿名性の恐怖がうまく演出されていた。芥川龍之介の作品で有名な『羅生門』に「頭身の毛も太る」という恐怖の心理を表す表現あるが、まさに毛が太るような息を飲む演出はさすがと言いたい。おそらくは続編も用意されているのだろう。

『英雄(HERO)』

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チャン・イーモウ監督『英雄(HERO)』(2002 香港=中国)を春日部駅東口にあるロビンソン百貨店まで観に行った。
テレビCMを見ている限りでは『マトリックス』ばりのCGが目を見張るが,内容的には極めて古典的な人間感情がテーマであった。天下統一に邁進する巨大国家「秦」に翻弄される小国「趙」に住む剣士の話である。秦王と刺客無名との間に交わされる物語は二転三転していく。その中で秦による天下統一を歴史的に正当な流れと見るのか,否かを巡って,男女の恋愛感情が揺れる。また,その中でたった一本の剣によってまさに歴史が動いていくダイナミズムと,いわばそうした歴史の大河の被害者ともなる秦王の孤独が明かになっていく。映像よりもその内容のスケールの大きさに脱帽した。中国映画恐るべしといった感だ。

『踊る大捜査線THE MOVIE 2:レインボーブリッジを封鎖せよ!』

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本広克耕監督『踊る大捜査線THE MOVIE 2:レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003 東宝)を観に行った。
テレビ版も前作の映画も観ていないせいもあってか,楽しむことが出来なかった。狙いなのだろうが,いかにもテレビ番組的などたばた劇が展開され,官僚主義に守られた警察組織vs人間味溢れる現場警官というお定まりの構図で話は進んでいく。内容的にどうこういう代物ではない。地方在住の方を対象とした,観光地お台場の宣伝番組といった趣だ。フジテレビ周辺を逍遥しながら,「この場所映画に出てたよね」と楽しく談笑しながら写真を撮って土産話とするにはうってつけの内容である。

□ 映画『踊る大捜査線THE MOVIE 2:レインボーブリッジを封鎖せよ!』公式サイト □