地上波で放映された、フランクリン・J・シャフナー監督『ブラジルから来た少年』(1978 米英)を観た。
ヒトラーのクローンを100人近く造って世界征服を狙うナチスの残党と、ナチス壊滅を狙うユダヤ人組織との対立が描かれる。安っぽい三文小説のような内容であったが、全編に渡ってクラシック音楽がBGMとして使われ、リズム感を感じることができた。
それにしても、2000年以降も繰り返しナチス映画が作られるというのは、ハリウッドとユダヤ人組織の関係が今でも強い証左を示すのであろうか。
妻子が寝静まってから、一人でビール片手に、地上波で放映された新藤兼人監督、柄本明・豊川悦司主演『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008)を観た。
今年満百歳で亡くなった新藤監督が原作・脚本も務め、新藤監督自身の少年、青年時代の経験が元になった映画である。
話がどんどん飛んでいくので、その間を埋めるストーリーは観客の想像に任されるのだが、少々強引であり、もう少し状況が分かるようなエピソードがあった方が良かったと感じた。
それにしても、脳卒中で倒れ、言語障害を煩った先生役の柄本明氏の演技が秀逸で、その表情や声のリアルさは鮮明に印象に焼き付いた。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=C9G_BAjbMc0[/youtube]
地上波で放映された、薬師丸ひろ子主演、相米慎二監督『セーラー服と機関銃』(1981 東映)を観た。
ひょんなことからたった4人しかいない暴力団の組長となる女子高生の成長が描かれる。演出は多感な少女の成長を撮らせたら右にでるものはいない相米しんじ監督である。主演の薬師丸ひろ子さんの表情が冒頭とラストでがらりと変わっていくのが驚きである。
ストーリーの展開には少々無理があるが、昭和時代の香りのプンプンするノスタルジック映画として楽しむことができた。東京という都市の持つ良い意味でのいかがわしさが表現されていたように思う。
ここ最近、ポッドキャストで『ライムスター歌丸のウイークエンドシャッフル』という番組を聴いている。先日、映画紹介のコーナーで『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』で知られる細田守監督が80年代の好きな映画ベスト5を紹介するという企画があった。その中で細田監督は相米慎二監督の作品で工藤夕貴主演作『台風クラブ』と斉藤由貴主演作『雪の断章−情熱−』の2つを上げていた。
宇田丸氏も指摘していたが、相米慎二監督作品と細田守監督作品の共通点が浮かび上がってくる。私が大好きな映画『お引っ越し』も相米慎二監督作品であるが、その脚本を務めた奥寺佐渡子さんは細田守監督作品も多数参加しているそうだ。
脚本によって、