小林よしのり『台湾論』(小学館 2000)を読む。
漫画を読み慣れていないので、何日かかけて読み終えた。台湾独立派を戦前の日本の潔い精神が宿っていると褒め称える。一方、昨今の日本の政治家やサヨク連中は大陸側に阿るばかりで、心根が腐っていると断じる。論理が飛躍しているのだが、漫画のキャラクターで穴埋めされ、何となく同感してしまう。漫画の功罪を感じた。
台湾の人たちのアイデンティティや中国からわずか2キロしか離れていない金門島、蒋介石の人柄など、参考になるところは多かった。
小林よしのり『台湾論』(小学館 2000)を読む。
漫画を読み慣れていないので、何日かかけて読み終えた。台湾独立派を戦前の日本の潔い精神が宿っていると褒め称える。一方、昨今の日本の政治家やサヨク連中は大陸側に阿るばかりで、心根が腐っていると断じる。論理が飛躍しているのだが、漫画のキャラクターで穴埋めされ、何となく同感してしまう。漫画の功罪を感じた。
台湾の人たちのアイデンティティや中国からわずか2キロしか離れていない金門島、蒋介石の人柄など、参考になるところは多かった。
小川榮太郎『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎 2012)を読む。
読むに耐えない内容であった。民主党政権時に執筆された本で、閣僚の不祥事やマスコミのエゲツない批判で辞任に追い込まれた安倍晋三の復帰を願って、徹頭徹尾ヨイショする提灯記事である。
筆者は音楽評論を専門としているだけあり、文体は「マンションポエム」さながらである。
(江藤純が言論世界への挑戦に対して「弱さ」を抱えていたという見解に続いて)しかし、「弱さ」を抱えていない理想家などというものがあるだろうか。「弱さ」とは無縁なほど、物を感じる力のない人間に、どのような高い戦いができるだろう。それは単なる「弱さ」ではない。負けを承知で戦いに挑む真の勇者の「弱さ」、いわば高貴な「弱さ」である。おそらく、同質の「弱さ」を抱えながら、「どのような勇者もしり込みするような責務を引き受け」る首相として登場したのが、安部だった。三島由紀夫の切腹は、安倍首相の「戦後レジームからの脱却」によって、文学者の狂熱から救われ、穏当で希望に満ちた政治言語化された。
(中略)安倍は、このように、日本を高い精神的位相で守ろうとした高貴な血脈に連なっている。平成の日本人には極めて稀な資質だ。
「安倍の応援団」といった括りがあるが、おそらくは著者のような訳の分からない取り巻き連中のアイコンが安倍晋三なのであろう。
1度目の政権時に、閣僚の不祥事とマスコミや野党の追求に真っ当に向き合ったために政権を放り出したという反省から、現安倍政権では閣僚の不祥事に全く取り合わず、マスコミや野党の追求を徹底して騙くらかす知恵を身に付けたという点は十分に理解できた。
五木寛之『恋歌』(講談社文庫 1971)を読む。
1967年9月から翌68年4月にかけて新聞に連載された小説である。戦後満洲からの引き揚げ時に外国兵からレイプされた経験を持つ妻冬子とレコード会社に勤め、高度経済長を駆け上がる夫信介の奇妙な夫婦に多くの若者が惹きつけられていく。
高校時代に読んだ本で、30年振りに読み返した。当時は硬派な小説を期待していたので、肩透かしを食らった作品であった。今読み返してみてもテーマが陳腐で、単なる娯楽小説となっている。
高橋幸夫『会計実学で一生長く飯が食える教育』(東京CPA会計学院 2012)をパラパラと読む。
東京・中野に本校がある会計専門学校の学生募集用の本である。会計を通して国家や会社全体を見る力を養い、社会で使える人材になろうという趣旨で書かれている。かなり強引な内容だが、経理を本質を学ぶ学校の魅力を伝えるという点ではよく出来た内容である。