読書」カテゴリーアーカイブ

『ご近所のムシがおもしろい!』

谷本雄治『ご近所のムシがおもしろい!』(岩波ジュニア新書 2012)をパラパラと読む。
ミミズの糞の有効な活用法やタニシの実態などがよくわかった。取り上げられているムシは、ザリガニ、タニシ、カブトエビ、カエル、トンボ、イモリ、カメ、サンショウウオ、アメンボ、ゲンゴロウ、ミミズ、カタツムリ、カマキリ、カメムシ、コオロギ、セミ、ヘビ、アゲハチョウ、クモ、アブラムシ、カブトムシ・クワガタ、蛾、ゴキブリ、ナナフシ、ゴミムシ、ダンゴムシ、ヤモリ、テントウムシ、ツマグロヒョウモン、カナヘビの30匹である。どれも専門家ではなく経験談で語られているので面白かった。

『顔がたり』

石井政之『顔がたり:ユニークフェイスな人びとに流れる時間』(まどか出版 2004)を卒読する。
著者自身が、顔の右半分に大きな赤いアザを抱える血管腫の患者である。血管腫は新生児の1000人中約3人の割合で生まれるといわれ、1億2000万人の日本人の中で、約36万人が顔や体のどこかにアザを持っている計算である。

身体的な機能にほとんど問題がないため、障害者という括りからは外れる。しかし、著者はいじめや社会的差別の対象となっている事実から目を背けていない。また、教育や仕事以上に、恋愛の場面で大きな心理的ハンデとなっている現実にも触れている。根本的な治療法がなく、障害でも病気でもないので、当事者とその家族だけで苦しみを抱え続ける人が多い。

著者は現在、「ユニークフェイス研究所」を立ち上げ、全国の顔や身体にトラウマを抱えている人たちとの交流会を開催している。見た目以上に繊細な問題であり、著者の活動が広がることを祈念したい。

『魔法博士』

江戸川乱歩『魔法博士』(ポプラ社 1970)をパラパラと読む。
20年前の防空壕が残されていたり、オート三輪の小型自動車が登場したり、小林少年が足尾銅山で真っ赤に溶けた銅が流れ出す光景を思い出したりと、1960年代半ばの時代を感じる風景描写が描かれている。

話の方は全く移入できなかった。見事に明智小五郎に化ける怪人二十面相と、怪人二十面相に化ける明智小五郎の対決という、およそミステリーとは無縁のドタバタ劇が繰り返される。

『英語辞書を使いこなそう』

浜野実『英語辞書を使いこなそう』(岩波ジュニア新書 1999)を手に取ってみた。
高校教諭の著者なので、高校での英語の授業の応用編のような内容となっている。最後に著者は次のように述べる。

紙の辞書がこの世から消滅するようなことはないでしょう。電子辞書やCD-ROMに比べ、たしかに重くて、場所をとり、検索に手間がかかることは間違いありませんが、何というか、古来からの人間と紙の関係は、切っても切れないものであり、もともと人間は、紙が大好きなのです。紙の肌触りといい、紙のにおいといい、何か心を落ち着かせてくれるものです。
紙の辞書は紙の辞書で、’user-friendly’を合いことばにさらに改良され、私たちの英語学習の心強い味方となってくれるでしょう。

ペーパーレス、キャッシュレスの現在において、著者の言葉はすでに懐かしいものに感じる。果たして人間と紙の関係はどうなるのであろうか。

『英単語に強くなる』

林信孝『英単語に強くなる』(岩波ジュニア新書 1995)を手に取ってみた。
語源に関する本である。数百の英単語に共通する40語のラテン語の語根が紹介されている。
ラテン語はローマの公用語であった。ではラテンがどこから来ているのかというと、ローマ市内にあるラティウムと呼ばれる小さな丘のあたりで話されていたマイナーな言語であったようだ。そのラテン語由来の言語が世界を覆い尽くしている。いかにローマが言語だけでなく、世界標準の政治や技術を生み出してきたかということの証左ともなっている。