地理」カテゴリーアーカイブ

「南西諸島に米軍臨時拠点」

本日の東京新聞朝刊に、台湾有事を想定し自衛隊と米軍が共同作戦を展開する計画を練っているとの記事が掲載されていた。その際は台湾から宮古島・沖縄本島を経て奄美大島までの南西諸島に分散して、弾薬や燃料などの補給体制が築かれるようだ。「補給路を断つ」のが戦争のセオリーなので、台湾で中国で米国が衝突した場合、真っ先に南西諸島が狙われることを想定に置いた計画であることは間違いない。

また、米国には、大統領の支持率が下がると、大義名分を翳(かざ)した戦争を引き起こし、支持率上昇につなげるという伝統的な政治戦略がある。ここ数ヶ月のバイデン大統領の支持率の低下を見ると、人権を盾にした軍事圧力を掛けていき、共和党のお株を奪うような対中強硬路線を突き進むことは容易に想像できる。

こうした状況を考えると、日本は香港や台湾、新疆ウイグル自治区での人権弾圧にきちんと批判をしつつも、北京五輪に全面的に協力して中国側の面子を立てるような懐の深い外交を行なっていく必要がある。果たしてそうした強(したた)かな政治家が今の国会にいるのであろうか。

「米目指す「移民」死者最悪に」

本日の東京新聞朝刊記事より。
3学期よりアングロアメリカに入っていくので、ちょうど授業で扱う内容である。
人文地理学の分野に「一人当たりのGNIが低い国(地域)から高い国(地域)へ労働力は移転していく」という公式がある。日本国内でも高度経済成長期には、若者が地方から都会を目指した。アメリカの一人当たりのGNIは65,897米ドルで世界第5位である。人口1億人を超える国に限ると、もちろん世界第1位である。

こうした働き口に恵まれた米国を目指し、中南米から陸路でメキシコを経由して米国を目指す移民が後を絶たない。トランプ前大統領の頃には国境沿いに不法移民を防ぐための壁が建設されている。バイデン民主党大統領はそうした共和党の移民政策を批判して当選したのだが、状況は好転していない。

メキシコと国境を接するカリフォルニア州ではスペイン語を話すヒスパニック系の割合が年々増加し、2020年の国勢調査では、ヒスパニック系が39.4%で人口は1,557万9,652人となっている。2010年の調査では白人系の割合が最も高く、40.1%を占めていたが、2020年の調査では34.7%に減少し、ヒスパニック系と順位が逆転している。また同州は、ハワイ州に次いでアジア系の割合が高く、その割合は15.1%、人口は598万8,795人となっている。

「ウィシュマさん妹 監視映像 視聴」

昨日で長かった2学期が終わりました。
皆さんの9月からの4ヶ月間は如何だったでしょうか。
私は神経をすり減らす日々でしたが、皆さんの発表を楽しませていただきました。
皆さんの発表を深堀りしていくような授業を展開していきたいのですが、なかなか時間の余裕がありませんでした。2年生の3学期は時間の余裕があるので、皆さんとの「対話」を重視していきたいです。

授業アンケートの集計はまだ終わっていませんが、3学期に向けた改善をあらたにしたいと思います。まずは27日(月曜日)の進学講習です。国立理系向けの講習なので、人数は限られますが、担当自身が楽しくやりたいと思います。

本日の東京新聞夕刊から。
授業中に紹介した名古屋入管での「殺人事件」の記事です。
授業で日本の難民制度について触れました。記事本文には書かれていませんが、事件の背景にある日本政府の排外主義が問題となっています。私は、難民の積極的な受け入れや柔軟な移民手続きなど、世界第3位のGDPを誇る日本が大国の責任を果たすべきだと考えています。
こうした悲しい事件が起きないような制度設計が大切です。

「インフラ破壊 水不足に拍車」

本日の東京新聞朝刊に、2015年から内戦が続き、慢性的な水不足によりコレラが発生するなど、深刻な状況にあるイエメンの記事が掲載されていた。イエメンは隣国のスンニ派の盟主サウジアラビアが支援する暫定政府と、シーア派の盟主イランが支える反政府武装組織の衝突が繰り返され、敵対するサウジとイランの「代理戦争」の色合いが濃く、国連は「世界最大の人道危機」と停戦を呼びかけている。

記事にもある通り、一時的な給水で凌ぐのではなく、水道管の修復などのインフラを整備し、自立して水を供給できるシステムを作ることが、本当の復興である。降水量が豊富な日本では理解しにくいが、アフリカの乾燥地域では水汲みだけで一日の大半を費やしてしまい、学校にも通うことができな子どもがたくさん存在する。水道のインフラ整備は、その国の教育や貧困にも寄与する大きなプロジェクトとなる。そうした中で日本の取り組みが評価されていることは素直に嬉しい。

「日本・千島海溝地震の被害想定」

本日の東京新聞夕刊に、太平洋プレートと北米プレートの狭まる境界で発生する海溝型地震の被害想定に関する記事が載っていた。千島海溝や日本海溝付近では、動きが活発な太平洋プレートが東日本の北米プレートの下に潜り込む際に生じる歪みによって、津波を伴う大規模な地震が繰り返されてきた。

授業中にも触れたが、そんなプレートの境界に原発を次々と作るのは狂気の沙汰である。記事を読むと死者のほとんどは津波によるもので、放射線による被爆死は計算されていない。この地図を見るだけで、日本のエネルギー事情の危うさが理解できるであろう。