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「マックポテトL・M再開へ」

本日の東京新聞朝刊に、マックポテトのLサイズとMサイズの販売が再開されるとの記事が掲載されていた。これまでは、米国シアトルに隣接するカナダのバンクーバーから横浜港へ輸送されていた。米国のジャガイモの産地はシアトルのあるワシントン州とその南東に位置するアイダホ州が中心である。

記事によると北米東海岸から輸送する航路を用いようになったとのこと。つまり、中米のパナマ運河を経て太平洋を横断する航路である。ちょうど授業で扱っているところなので、補足説明のネタとして使ってみたい。

ちなみに、ジャガイモは気候や土壌に左右されにくいので、世界の生産量のベスト5は、以下のようにそのまま国土面積が広い国となっている。

順位 国名 生産量(2018年) 割合
1 位  中国 9,181万8,950トン  24.79 % 
2 位  インド 5,019万トン  13.55 % 
3 位  ロシア 2,207万4,874トン  5.96 % 
4 位  ウクライナ 2,026万9,190トン  5.47 % 
5 位  アメリカ 1,918万1,970トン  5.18 %

「北京五輪 平和の祭典か」

本日の東京新聞朝刊に、欧米諸国が「外交ボイコット」を表明している北京五輪での論争の

新疆ウイグル自治区での「ジェノサイド(民族大量虐殺)」の状況と、

北京五輪への参加が中国共産党政権に対する踏み絵となっている

「ロシアのウクライナ侵攻に備え」

本日の東京新聞朝刊記事より。
授業でも紹介しているが、連日のようにウクライナに関する報道が続いている。
今日の記事はEUの天然ガスの供給に関する話である。EUは石炭火力発電を廃止する一方で、ロシアからの天然ガスへの依存を高めている。ロシアから陸上や海底を通じて何本もパイプラインが建設されており、EU諸国の発電量のかなりの割合を占めている。

日本には海に囲まれているため、オーストラリアやマレーシアなどで産出された天然ガスを一度マイナス162度まで冷やして液化して輸入している。液化することで体積を600分の1まで小さくできるのだが、運搬・貯蔵コストがかかってしまう。

その点、バルト海経由でロシアとドイツを繋ぐノルド・ストリームや、ウクライナ経由でロシアと東欧をつなぐサウスパイプラインなどの天然ガスパイプラインは、気体のまま輸送できるので、一度建設すると運用コストは低く抑えられる。

「技能実習生 初の減少」

本日の東京新聞夕刊記事より。
共通テストで狙われやすい統計なので、国公立を志望している生徒は、記事内容も含めて読んでください。2021年時点での外国人労働者は173万人で、そのうちベトナム人の45万人、中国の40万人で半数が占められ、続いてフィリピンの19万人、ブラジルの14万人となっている。

この4カ国のうち、ベトナム、中国、フィリピンの3カ国とは経済連携協定(EPA)を締結している。EPAの協定国間では、労働ビザの申請もスムーズなため、上記のような数字になっていると考えられる。

ただし、ブラジルとはEPAを締結していない。ではなぜブラジルからの労働者が多いのか。こちらも授業中に触れた点だが、太平洋戦争前後に日本からブラジルへ渡った日本人が多くおり、ブラジルで生活している日系3世までは、日本政府は労働ビザではなく定住ビザを発行しているためであると考えられる。

授業中にアントニオ猪木さんについて触れました。そんなエピソードも共通テスト攻略のヒントになるかもしれません。

「エジプト 再エネ増 電力輸出を後押し」

本日の授業で紹介した記事である。
エジプト内陸部の砂漠で、100万世帯以上分の発電能力を備えたメガソーラーが稼働しているとの記事である。37万平方キロの敷地ということは、東京ドーム800個分の広さである。
授業ではエジプトの気候(BW)と日本の気候(Cfa)の比較から、日本では太陽光発電に限界がある点を説明した。また、日本は国土の75%が山地となっており、そもそもメガソーラーを設置できるだけの敷地がない。山地を利用しようとすれば、盛り土で造成しないと、ソーラーパネルをしっかりと固定することができない。しかし、盛り土した部分は大地震や大量の降水によって地滑りを起こしやすくなる。

こうした記事を読むたびに、日本は天然ガスで20〜30年の急場を凌ぎながら、地熱や洋上風力、海流など、日本周囲の地形を活用したエネルギー開発に注力すべきだという持論に立ち返っていく。共通テストで高得点を狙うノウハウも伝えながら、地形とエネルギーの関係について、生徒と一緒に答えを探す授業を提案していきたいと思う。