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テロ特措法

本日の東京新聞夕刊に安倍晋三首相のアジア太平洋経済協力会議後の談話が一面に載っていた。記事によるとテロ対策特措法に基づいてインド洋で行っている海上自衛隊の給油活動について、期限が切れる11月1日以降も延長もしくは新法成立でもって活動が継続できなければ政治的責任を取って退陣するとの考えを表明したとのことだ。阿倍首相は「(給油活動は)国際的な公約となった以上、私には大きな責任がある。テロとの戦い、補給活動に職を賭して取り組んでいく考えだ」と、米国追従政策が「国際」的に評価されたものであると同時に国益に適うことであると述べている。一方小沢民主党党首はイラク戦争は国連安保理の合意が得られたものでなく、米国単独の戦争であると定義づけ、あくまで給油活動そのものに反対するとの考えを堅持している。

阿倍首相は補給活動うんぬんという細かい話に還元せず、自民党総裁としての堂々とした憲法・安保論議をしてほしい。また民主党をはじめ公明党、共産党、社民党も自民党批判だけに終始せず、党としての憲法のあり方や防衛政策をきちっと打ち出して議論を深めてもらいたい。湾岸戦争以降、沖縄基地問題や日米地位協定、自衛隊法など続けざまに改悪されてきたが、日本政府としてのその拠り所である「憲法−防衛」の根幹的な論議は蔑ろにされてきた。自民党や民主党といった自衛隊の海外派兵そのものを認めている党だけで議論するのではなく、自衛隊そのもののあり方に疑義を投げ掛け論議を深めて欲しい。

東京新聞朝刊

今日の東京新聞朝刊に、昨日の世界陸上選手権の女子マラソンで銅メダルに輝いた土佐礼子さんの記事が載っていた。その記事中に土佐礼子さんと夫の村井啓一さんの仲睦まじい姿を捉えた写真が掲載されていた。かなりびっくりした。というのも、その写真の村井さんが私にそっくりなのである。写真の写り具合でたまたま似るということはあるが、年齢も同じであり実際の姿も酷似しているのではないだろうか。

東京新聞2007年9月3日付朝刊:夫の応援背に3位浮上 土佐選手「一番苦しい所にいてくれた」

内閣改造

本日安倍総理による内閣改造があった。
その中で、防衛大臣に少林寺拳法振興議員連盟の会長を務める高村正彦氏が就任したことに注目したい。少林寺拳法は「守主攻従」「不殺活人」を掲げ、決して自分からは手を出さず、相手を傷付けない武道のあり方を目指す武道である。先手必勝で一般市民に爆撃を仕掛け、その後内戦混乱状態を作り何千人もの死者が出ている米イラク戦争を、防衛省のトップとして、そして少林寺拳法を修業する一拳士としてどう評価し判断するのであろうか。今後、彼の発言、防衛省の動向を注視していきたいと思う。

千鳥ケ淵戦没者墓苑

本日の東京新聞の朝刊に、社民党が東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑を拡充、整備して「無宗教の国立戦争犠牲者追悼施設」とするよう求める提言を、来月9月にも正式発表するとの記事が載っていた。福島瑞穂党首が15日の追悼集会で「すべての戦争犠牲者をきちんと追悼することが今の政治に求められている」と強調したとのことである。
全く同意である。A級戦犯を含め、(侵略)戦争を戦った日本軍もしくはそれに準ずる関係者のみを合祀し、戦争の一番の犠牲となった一般市民や外国人は排除されている。そうした偏った合祀を続ける靖国神社を国が公式に参拝するということは侵略戦争を肯定することにつながる。社民党では千鳥ケ淵墓苑を「すべての戦争犠牲者を追悼するとともに、二度と戦争をしないと誓う場」としたいとしているが、天皇や内閣全員が千鳥ケ淵に参拝し、国民に二度と戦争をしない国家作りの姿勢を示す必要があると考える。

『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』

先日東京新聞(2007年8月3日付夕刊)を読んでいて、先の参議院選挙に「9条ネット」から立候補した元駐レバノン大使の天木直人氏の発言が気になった。天木氏は、2003年8月に当時の小泉純一郎首相へ米国主導のイラク戦争を支持しないよう意見具申した公電を送ったことで実質的な解雇処分を受け、外務省や政府の外交政策を実名を挙げて批判した人物で知られている。その天木氏は東京新聞の記事で次のように発言している。

憲法9条を守らなくてはいかんという強い思いを持ったのは外務省を辞めてからなんですよ。在職時は今の憲法を未来永劫変えないという考え方が果たして国際政治の中で通用するのかと思っていた。少なくとも攻めてきた時には戦わなくてはいかんじゃないか。そのためには軍隊は必要じゃないか。(中略)ところがよく考えてみると、現行の憲法を一字でも変えたら、果てしなく軍備拡大につながっていくのじゃないかと。(中略)特に今の日本の置かれている状況を見た時、アメリカが日本を守るというよりも世界征服のために自衛隊を使おうとしているとしか思えない。今のアメリカのテロとの戦いへの協力は拒否すべきだと思う。

つまり天木氏は憲法9条護持の一点突破こそが、米国追従の日本の政治の脱線を防ぐ求心点だと述べるのである。そしてそれを政策として立案するために参院選に立候補したということだ。

夏の12冊目
そこで、天木直人『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』(講談社 2003)を読んだ。

折りしも、昨日付けの東京新聞朝刊に小沢民主党代表がテロ対策特別措置法について、「ブッシュ大統領は国際社会の合意を待たずに、米国独自で開戦した」と指摘し、「日本の平和と安全に直接関係のない地域で米国と共同の作戦はできない」とし、「米国の活動は国連で直接にオーソライズされたものではない」と延長に反対する意向を米国に伝えたという。世界の平和も外交も経済も国連中心主義がよろしく、国連お墨付きの平和活動であれば、9条に抵触しないといった解釈主義が小沢氏の持論であるが、この点については小沢氏はここ10数年あまりぶれていない。93年のPKOの頃では、小沢氏の見解は専守防衛を旨とした平和憲法の9条の精神を大きく逸脱するものだと批判を浴びたものである。しかい、ここ数年の小泉・阿倍内閣における米国盲信の日米同盟の錦の旗の下、テロ対策特別法や有事関連法、自衛隊派遣法の全てがまかり通ってしまう自民党ごり押し政治に比べると、まだ手続きを重視しているだけマトモに見えてしまう。

天木氏も指摘している通り、