「魅力ある県立高校づくりの方針(案)」に対する御意見

P.16
現在、県内でも通信制の大宮中央高校があります。しかし、近年私立の通信制も増えてきており、授業の内容も私立高校の方が生徒を魅きつける内容が多いと思います。時代の流れで県立で通信制の学校を設置する意義が薄れているように感じます。不登校の生徒や中退した生徒の受け皿としての通信制高校であれば、わざわざ県立学校で設置する必要はないと考えます。

一方で、言葉の壁や人間関係で悩む高校生もたくさんいます。また、家庭の事情で満足に食事が摂れていない生徒もいます。そうした生徒にとって最後の居場所は定時制高校です。毎日顔を合わせる先生がいて、声を掛けてくれる仲間がおり、温かく栄養バランスを考えた食事が提供される定時制高校は大切な場所です。もともと定時制高校は勤労学生のためのものでありますが、通信制ではできない人間社会を学ぶ場としての貴重な意義があります。県内どこに住んでいても通いやすい範囲に定時制高校があるように計画を進めてほしいと考えています。工業・商業の定時制も、外国籍の生徒の増加が予想される埼玉県にとって、ますます必要な学校となります。

P.26
脚注に記載されていた「学校規模(全日制課程)については、1学年当たり6学級以上が望ましい」という考えは良いと思います。高校は教員と生徒の関係よりも、生徒同士の関係の方が大切なので、自分に合った仲間を探しやすい規模の学校が望ましいと思います。ただし、埼玉でも通学が困難な地域もありますので、上記の「適正規模」に関わらず、僻地在住でも通えるように、高校の地域バランスは考慮してください。

『自治体倒産時代』

樺嶋秀吉『自治体倒産時代』(講談社+α新書,2007)を読む。
かなり昔の購入した本であるが、教材研究の一環で手に取ってみた。北海道の夕張市や大阪の泉佐野市、長野県栄村など、財政再建を目指す市町村の取り組みが分かりやすく取り上げられている。とくに夕張市の酷さが印象に残る。炭鉱が閉山した後も市役所のバブル体質は変わらず、粉飾決算を繰り返していた。関空バブルをあてにした泉佐野市の事例も酷かった。本来は首長と議会で相互にチェック機能があるのだが、馴れ合いになっている市町村も多いという。そのため、著者は無党派の首長による政務活動費の透明化や、市民オンブズマンによる行政の無駄を防止する仕組みの必要性を強調する。

『花宴』

あさのあつこ『花宴』(朝日新聞出版,2012)を読む。
江戸時代の物語である。武士の魂や当時の女性の恋愛なども交えながら話が展開していく。
『バッテリー』でも感じたが、著者は、小説の中で話の中心的な場面(試合や恋愛)はあまり描かず、回想シーンや前後のストーリーによって、事の重大さを表現しようとしている。時代も話題も全く違うが、『バッテリー』を読んでいるような感覚であった。

『国家の罠』

佐藤優『国家の罠:外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社,2005)を少しだけ読む。
東京拘置所で512日勾留された著者が、拘置所の経験やそこへ至った外務省の内実を明らかにしている。著者が関わっていたゴルバチョフ、エリツィンからプーチンへと権力が移譲していく様子など、ロシア内部の政治が面白かった。勾留時代のメモをもとに執筆されたようだが、著者の行動力と記憶量の凄さに圧倒される。