小室直樹『国民のための経済原論?バブル大復活編』(光文社)を読む。
私は寡聞にして著者のことをよく知らないが、読んでいて腹の立つ本であった。無知な読者のために上から知識を授けてやろうとする姿勢が見え見えなのだ。もちろん敢えてそういう文体を取っているのだが、後味の悪い本である。
しかし内容はいたって普通であった。どんな不況だろうとすべて「GNP=消費+投資」というケインズの説で説明が可能であり、不況を脱する手法の全ては投資の仕方にあり、「ストック調整」の如何にかかっているのだと言う。そして徹底した公共投資、民間投資を説く。
自民党道路族、建設族、北海道開発に巣食う議員生命を下支えするような意見だが、このような意見もあるのだろうという以上の感想はない。
『国民のための経済原論? バブル大復活編』
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