フセイン大統領のテレビ演説

本日の東京新聞で紹介されていた、フセイン大統領のテレビ演説の一言が、「前後の文脈は抜きにすると」正論を貫いていて格好良かった。
イラン・イラク戦争終結記念日における演説で、彼は次の言葉で米国の姿勢を警告したそうだ。ただ、原文を探したが見つからないので、正確な意図は不明である。

脅しで民衆を奴隷にしたがるごう慢な乱暴者が、自分の国の人々の平穏を望んでいるのなら、国際法に基づいた対等な対話によって他の国の人々を尊重しなければならない

話は変わるが、ここ数年のフセイン大統領による対アメリカ外交政策はかなりの部分でうまくいっていると思う。あれほどの侵略戦争を仕掛けておきながら、今回もアラブやヨーロッパの支持を十分に取り付けている。今後何度も国際政治の舞台に出てくる政治家であろう。残念なのは、日本におけるサダムフセイン像があまりにアメリカ寄りの「悪の大将軍」というイメージに固定化されていることだ。別にサダムフセインをかばうつもりはないが、ステレオタイプなイラクの国家像から早く脱しないと、中東を見る判断力を誤るであろう。

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