『コンセント』

田口ランディ『コンセント』(幻冬舎 2000)を読む。
シャーマン的な能力を持った主人公がひきこもりの末に変死した兄の死の謎を解いていく過程で、この世の現実世界とは別の、人間のあらゆる記憶や感情が詰まった別の世界に迷い込んでしまうというありきたりなオカルト的世界が展開される。ちょうど疲れがたまっている時期で、読みながら何度もうたた寝をしてしまい、夢うつつで読んでいたので、変な感じであった。
筒井康隆の「家族八景、七瀬ふたたび、エディプスの恋人」のテレパス少女の「七瀬3部作」のようなタッチである。作中、主人公が「自問自答する人々は自分に都合の悪いほうへと考えを飛躍させる」と述べているが、自分のことを言われているようではっとしてしまった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください