本日の東京新聞の朝刊で、沖縄国際大学で起きた米軍ヘリ墜落事故のその後の推移についての丁寧に報道が載っていた。
幸いにも怪我人が出なかったため、単なる不遇な事故として扱われ、アテネオリンピックの報道合戦の陰に隠れてしまったが、何とも不愉快な話である。安易な「安全点検」終了後、事故の2日後には普天間飛行場での輸送が再開され、10日も経たないうちに同型のヘリが「イラクの自由作戦」への展開指令を受けて同飛行場から飛び立っている。すでに在日米軍は日本を他国の脅威から守るものではなく、米軍の一国中心主義の世界戦略の一端を担っているに過ぎない。沖縄の米軍基地は、米軍の一方的な正義のみが喧伝されるイラク戦争の「後方」基地であり、アジアにおける米軍のプレゼンス(脅威)を示すための「広報」基地になっているのである。
昨日沖縄の稲嶺知事と小泉首相が日本の捜査権を阻む日米地位協定の改定について話しあったが、党派的な言い方をするならば、沖縄における米軍基地のレーゾンデートルを無視した上での改定論議は「全くもってぇ、自民党小泉政権による茶番以外なにものでもない!」ものである。イラク戦争の是非、北朝鮮を含めたアジアにおける協同的な安全保障の枠組みという視点に立って、この米軍ヘリ墜落事故を見ていきたい。