ヴィクトル・ユゴー『ああ無情』(ポプラ社文庫 1985)を読む。
小学生でも読める振りがな付きの名作シリーズであるが、十分楽しめることが出来た。元囚人のジャン・バルジャンの悲哀に満ちた生活が映画的な手法で展開される。とても150年近く前に作られた作品とは思えない内容であった。『ああ無情』は世界で聖書の次に読まれているともいわれ、尾崎紅葉や田山花袋といった作家に強い影響を与えたと評される。確かに元囚人、下水道を逃げ回る主人公、刑事と犯人の宿命的な出会いなど現在の映画やアニメのそこかしこに『ああ無情』で描かれたシーンがちりばめられている。
『ああ無情』
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