今日の東京新聞朝刊一面で、八王子で米兵が男児3人ひき逃げ事故を起こして逮捕されたのだが、米軍の方から「公務証明書」が出され、日米地位協定に基づき即日、米軍に引き渡した、というニュースが報じられていた。記事の中で「普天間基地爆音訴訟」を率いる原告団長の島田善次さんの言葉が歯切れよい。
本土も沖縄と同じだな。沖縄では同じような事件がこれまで何度も起きているが、地位協定を盾にして、加害者の兵士は何も罪にとがめられるどころか、帰国してしまった者もいる。日米の軍事再編が問われる今、やすやすと加害者の兵士を逃してしまうような政権に対して、国民はもっと怒りの声を上げてほしい。
日本はこのような治外法権にも近い不平等な地位協定にいつまで縛られなければならないのだろうか。冷戦後の軍事の枠組みという「大文字政治」はよく分からないが、このような日常的な事件を真摯に関心をもって見ることで、問題の本質の一端が顕れ出てくるのである。
さて石原東京都知事はこの事件で年明けにどのようなコメントを出すのであろうか。民主党前原党首の目には、中国軍と米軍のどちらがより脅威に写るのだろうか。年末の忙しさで事件自体を忘れてしまいそうだが、この問題に対する各界の視座に注目したい。